終了した展覧会・イベントです

「三都画家くらべ - 京、大坂をみて江戸を知る -」

府中市美術館
終了しました
「伊藤若冲は、江戸では流行しなかった」と言ったら、驚かれるかもしれません。今でも、東京と、かつて若冲を生んだ京都では人々の気風が違うと言われます。その土地の歴史の中で育まれ、土地に染み付いたもの、まして美しさや面白さといった「感覚」は、そう簡単に他の土地に伝わったり、受け入れられたわけではなかったのかもしれません。私たちが思い描く「江戸時代の絵画」という世界は、日本全国を見渡したうえでの歴史だと言ってもよいでしょう。しかし当時のことを想像すると、人々が見ていたのは、京ならば京の、江戸ならば江戸の、それぞれの美の世界であり、画家たちはそれぞれの町の美術史の上に生きていたのです。

古代からの皇都として歴史を誇った京、江戸時代になって関東の地に出現した巨大都市江戸、そして経済の中心地として賑わった大坂を加えた三つの都市は、「三都」と呼ばれました。関東と関西の違いを挙げてあれこれ話すのは現代でも楽しいことですが、当時の人々にとっても興味の的であり、生活習慣や服装などを比較して面白く綴った
つづった読み物などが多くみられるほどです。

そこで、三都で生まれた絵の数々を、その風土ならではの造形感覚や趣向に注目して眺めてみようというのが、このたびの展覧会です。およそ250年にも及ぶこの時代の全貌を比べることは叶いませんが、描くスタイルやテーマが多彩になり、三都の個性が際立ってきた江戸中・後期の作品を中心にご覧いただきます。同じテーマの作品どうしで比べたり、町の「笑い」や「特産」に注目してみたり、色々な角度からの「三都画家くらべ」を楽しみつつ、日頃改めて考えることの少ない「江戸」という土地の個性にも、じっくり向き合っていただけたらと思います。

[画像: 狩野山雪「寒山拾得図」真正極楽寺蔵]

[出品作品]
前期89点、後期87点、総計152点
[展示構成]
三都に旅する
花と動物(前期のみ)
人物画くらべ(後期のみ)
山水くらべ
和みと笑い
三都の特産

スケジュール

2012年3月17日(土)〜2012年5月6日(日)

開館情報

時間
10:0017:00
休館日
月曜日
月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館
展示替期間・年末年始休館
備考
3月21日(水)は休み
入場料一般 700円、高校生・大学生 350円、中学生・小学生 150円
会場府中市美術館
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/
住所〒183‐0001 東京都府中市浅間町1-3
アクセス京王線東府中駅北口より徒歩17分、JR中央線武蔵小金井駅南口より京王バス(府中駅行き)「一本木」下車
電話番号050-5541-8600
関連画像

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