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服部峻昇 「漆芸の燦 」

セイコーハウス銀座ホール
終了しました

アーティスト

服部峻昇
「麗(うるわ)し」「潤(うるお)す」が語源とされる漆を用いる漆芸は、Japan(ジャパン)の名の通り、日本の美意識を象徴する工芸といわれている。深遠な漆黒と荘厳な金が対を成す蒔絵の構図、精緻な加飾、豊潤な艶と光沢を湛えた美しさ。加えて防虫・防腐、魔除けの効果があることも貴人たちに愛された所以だろう。

京漆芸を牽引する服部峻昇氏は、本年自身の漆芸50年の節目を迎える。伝統的な技法に留まらず、貝や玉虫の翅の輝きを生かして、現代の生活空間を彩る独創的な作品を発表し続けている。和光の時計塔竣工80年を記念して制作された玉虫茶器は、アラベスク文様の装飾をモチーフに、玉虫の翠色と金蒔絵の大胆な意匠が、高貴な輝きと佇まいを醸す。服部氏が扱う材料は、国産の漆をはじめ、タイ産の玉虫、ニュージーランドやメキシコ産耀(よう)貝など稀少な天然素材ばかり。特に海外から調達する厳選された貝と玉虫は、色目や形を揃えて加工する労を要するが、自然のみが創り得る虹光は鮮烈な存在感を有し、思わず目を奪われるほどだ。

服部氏が最も大切にしているのは"美意識と形、装飾の融合"である。草花文様と幾何学文様、直線と曲線といった意匠の自在な組み合わせ、さらに漆を塗り重ねて盛上げる「高蒔絵」、錫など金属の型を貼る「平脱(へいだつ)」、「螺鈿」、「象嵌」など多種多様な技を駆使して造形と一体化させることで、絢爛たる万華鏡のような"美"を創出する。4年ぶり5回目となる本個展では、飾箱、茶器、額装品など70余点が出品される。「不安定な時代ですから、日々、地に足の着いた作品づくりを心掛けています。会場で鑑賞し、また実際に使っていただくことで、心を和やかにしていただけたら有難く思います」。人の心を慰め、勇気づけることもまた揺るぎない美術工芸の役割である。

[画像: 服部峻昇 左「玉虫香合・唐草文様」 8.2×7×高さ2.8cm 右「玉虫茶器・光華唐草文様」 径7.5×高さ7.5cm]

スケジュール

2012年4月7日(土)〜2012年4月16日(月)

開館情報

時間
11:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
年末年始休館
入場料無料
展覧会URLhttp://www.wako.co.jp/exhibitions/294
会場セイコーハウス銀座ホール
https://www.wako.co.jp/exhibitions/
住所〒104-8105 東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス銀座6F
アクセス東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅B1出口直結、東京メトロ有楽町線銀座一丁目8番出口より徒歩4分
電話番号03-3562-2111
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