トム・サックス 「Store」

渋谷ヒカリエ 8/ ART GALLERY

poster for トム・サックス 「Store」

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トム・サックスの作品はいわば「手作り(ハンドメイド)の既製品(レディメイド)」。PRADA のロゴで作られた便器や、HERMÉS の包装紙でかたどられたマクドナルドのバリューセット、馬小屋の聖家族のオブジェに聖母マリアや幼子イエスとしてハローキティーが鎮座する等、聖性と俗性、ファンシーなものと凶暴なもの等グレードの違う「記号」同士をまぜこぜにし、わざと稚拙なディテールによって見るものを引きつけます。本展では、トム・サックスが近年に制作してきた、"Kelly Bag"、"American Tool Kit"等、立体、プロダクト、カタログのエディション作品が含まれたトランクに加え、2011年制作の映像作品1点、2012年制作の立体作品3点をご覧頂けます。アイロニカルながらもユーモラスな彼の作品世界をぜひお楽しみください。

[画像: トム・サックス「STORE」]

メディア

スケジュール

2013年02月20日 ~ 2013年03月04日

アーティスト

トム・サックス

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Reviews

artmagedon: (2013-02-23)

トム・サックス、彼はこの世代特有の、美術に対する愛憎が混在する作家だと私は思う。所謂、美術たりえる“尊厳”を小馬鹿にするようなスタイルやテーマを用いながら、塗りのタッチや、最終形態の“佇まい”はしっかり美術たりえる存在感を放っている、という意味において。

彼が作品に、いかにもな手作りタッチを残しているのは、ありがちな手作り賛美ではなく、ハイブランドの既製品が醸し出す、とても人間の手によるものとは思えないパーフェクティブさとの差別化を、明確にしているのではないか、と私は考えている。
「hand-made piece from ready-made goods」とは、本来、一つのSAMPLEに従い、全く同じ表情を見せることが好ましいとされる「既製品」というものの美徳を、それとは真逆の手作り的な存在感でアウトプットすることの面白さを、目指しているように思う。
つまり、量産品としては作家個人の手癖が含まれすぎており、手作り品としては他者のコピーライトに過ぎる、という、
何とも奇形のニューハーフを、彼は作り続けているのである。
既製品と手作りという、本来は相容れないはずの矛盾したキメラを作り出すこと、それはそのまま、私が彼の作品を面白いと感じることの重要な一つだ。

また、表情豊かな作品群は、ハンズや世界堂で一日で揃えたような質感の作品とは一線を画し、それぞれが固有の時間を含んでおり、“STORE”に仕入れられるまでのドラマをこちらに勝手に描かせてくれる。

彼のこれまで製作してきたセンセーショナルなアプローチの作品からすれば、今回の展示は比較的安全に映る類の作品だと思うが、先に挙げたトム・サックスたりえるチャーミングな毒気は、正しく感ずることのできる展示であった。

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