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「坑夫・山本作兵衛の生きた時代 - 戦前・戦時の炭坑をめぐる視覚表現 -」展

原爆の図 丸木美術館
終了しました

アーティスト

山本作兵衛
2011 年5 月、田川市石炭・歴史博物館、福岡県立大学が保管する、故・山本作兵衛の炭坑絵画589 点と日記・メモ類108 点 が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)により「メモリー・オブ・ザ・ワールド」(MOW、通称・世界記憶遺産)に登録されました。それを契機として、現在、炭坑(鉱)への関心が寄せられつつあります。作兵衛は、炭坑を見聞きすることがなくなる孫たちのため、「炭坑とはどういうもので あったか」を絵画として描き残しました。彼が自宅を訪れた人々に炭坑画を持ち帰らせたのは、世代を越えて炭坑への関心が広がるのを期待していたからではないでしょうか。世界記憶遺産登録を機に、作兵衛の炭坑画の再評価が進められるのは喜ばしいことです。その一方、他の画家や写真家たちの炭坑を巡る表現を総合的に見渡し、それぞれの時代、それぞれの産炭地の炭坑イメージや表現に込められた意味を読みなおすことも重要です。本展では、作兵衛が近しい人たちに遺した「炭坑画」をはじめ、同じ筑豊を描いた原田大鳳、井上為次郎、島津輝雄、山近剛太郎、常磐を描いた大宮昇らの絵画作品や、萩原義弘撮影による、戦時の軍需生産美術推進隊が全国に制作した坑夫像、大正期に町田定明が撮影した『三井三池各事業所写真帖』ほか各産炭地の主要石炭会社の写真帖など、戦前・戦時に生み出された各地の炭坑をめぐる幅広い視覚表現を検証します。それらの表現からは、炭坑労働の実情や問題点の啓蒙、国家的要請での石炭増産体制の訴え、炭坑生活へのいとおしみなど、さまざまな思いが読み取れるはずです。戦後、相次ぐ閉山によって石炭産業の火が消え、産炭地を除けば、これらの視覚表現はほぼ顧みられることがありませんでした。今こそ、作兵衛の「孫たちへの願い」を思い起こし、多くの炭坑の表現者たちが、炭坑をどのように受け止め、世に伝えようとしてきたのか、遺された作品群に目を凝らし、耳を澄まし、頭を巡らす時ではないでしょうか。

[画像: 山本作兵衛「立掘り 先山 後山」(1970)]

[関連イベント]
オープニングコンサート+トークイベント「炭坑の視覚表現をめぐって」
日時: 7月13日(土) 14:00
コンサート出演: 緒方もも(ヴァイオリン、山本作兵衛曾孫)、奥野幸恵(ピアノ)、清水英里子(ヴァイオリン)
トークイベント出演: 鳥羽耕史(早稲田大学教授)+保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員)+正木基(casa de cuba 主宰)

ギャラリーツアー
日時: 7月15日(月)、17日(水)~19日(金)、23日(火)~26日(金) 10:00~14:00まで随時
ツアーガイド: 本展企画委員

ギャラリートーク1「炭坑を語る」
日時: 7月27日(土) 14:00
出演: 菊地拓児(コールマイン研究室)、萩原義弘(写真家)、ヤリタミサコ(詩人)

ギャラリートーク2「山本作兵衛を語る」
日時: 8月13日(火) 14:00
出演: 井上忠俊(作兵衛(作たん)事務所所長)、上野朱(古書店主)、緒方惠美(作兵衛(作たん)事務所代表代理)、本橋成一(写真家・映画監督)

いずれも参加自由(当日の入館券が必要です)
7月13日(土)、27日(土)、8月13日(火)は、13:00に東武東上線 森林公園駅南口に美術館の送迎車が出ます。

スケジュール

2013年7月13日(土)〜2013年9月8日(日)

開館情報

時間
9:0017:00
12月~2月は9:30〜16:30
休館日
月曜日
年末年始は休館
月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館
入場料一般 900円、中学生・高校生・18歳未満 600円、小学生 400円、60歳以上 800円
展覧会URLhttp://www.aya.or.jp/~marukimsn/kikaku/2013/2013sakube.html
会場原爆の図 丸木美術館
https://marukigallery.jp/
住所〒355-0076 埼玉県東松山市下唐子1401
アクセス東武東上線森林公園駅南口よりタクシーで12分、東武東上線東松山駅東口より市内循環バス「丸木美術館東」下車徒歩2分
電話番号0493-22-3266
関連画像

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