終了した展覧会・イベントです

岡本太郎 「透明な爆発 -怒り」

川崎市岡本太郎美術館
終了しました

アーティスト

岡本太郎
爆心地を描いた《明日の神話》をはじめ、血のメーデーや学生運動をテーマとした《青空》や《若い闘争》など、岡本太郎の絵画には、社会問題をあつかった作品も多くみられます。あまり知られていませんが、1960年代には全学連の若者たちとも言葉をかわし、ベトナム戦争の反戦運動である「べ平連」の依頼で、米国『ワシントン・ポスト』紙に「殺すな」と大きく記した全面の反戦広告も手がけました。社会への憤りや怒りは、岡本のなかでどのように転化し、表現されたのでしょうか。「透明な爆発・怒り」という言葉は、1971年刊行の岡本の著作『美の呪力』の章タイトルに用いられたものです。このなかで、岡本は、密教美術の静謐な曼荼羅に「怒りの相」を見てとり、「静かで、透明で神秘のすじが宇宙をおおうような、そんな精神のひろがり」を感じると述べています。民族創生の神話について、はじめに「神ありき」ではなく、「怒り」が爆発したのだととらえた岡本は、「怒り」という力を「人間が自分を超えて、世界に、宇宙に無限のひろがりをつかみとる」ための能動的なエネルギーと考えました。ピカソの《ゲルニカ》を岡本は「西欧絵画の伝統の終止符」ととらえ、今世紀の「怒り」の最高の表現と評したように、社会への「怒り」や「憤り」の表現は、彼の芸術のひとつの眼目といえるでしょう。岡本の絵画は、迷いや怒りにみちた現代に生きる私たちの道標でもあるようです。

[画像: 岡本太郎 「明日の神話」(1968) 油彩]

スケジュール

2013年1月18日(金)〜2013年4月7日(日)

開館情報

時間
9:3017:00
休館日
月曜日
月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館
年末年始休館
備考
月曜日(2月11日を除く)、2月12日、3月21日は休館。
入場料一般 600円、大・高生・65歳以上 400円、 中学生以下無料
会場川崎市岡本太郎美術館
http://www.taromuseum.jp/
住所〒214-0032 神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-5
アクセス小田急線向ヶ丘遊園駅南口より徒歩17分、向ヶ丘遊園駅南口よりバス「生田緑地入口」下車徒歩8分、JR南武線武蔵溝ノ口駅または東急田園都市線・大井町線溝の口駅北口よりバス(向ヶ丘遊園駅南口行き)「生田緑地入口」下車徒歩8分
電話番号044-900-9898
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します