藤田満写 「海に日は照る」
銀座ニコンサロン(ニコンプラザ内)
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作者は、“あの地方へ10日間ほど”といった大雑把な計画で、年にいく度か遠出の旅に出る。旅行案内書などを使うが、それは沢山の人が来そうな所を避けるためで、五所平之助の俳句「冬の田のすっかり雨になりにけり」や「菜の花に少年海を好みけり」などを口遊むとしーんとした情景が思われて、じっとしていられなくなる。地形図のなかで、“津”と名のつく町や湾の浦や海峡や深い入江、河口などを辿り、そこに港、集落などの記号を見つけ、等高線を重ねて浮かぶ風景、そんな場面を幾つか描けた地方へ行ってみる。それはいつも、何でもない普段の景色だ。2012年、作者はコンデジカメラを持って海を歩いた。そして国の周りはみんな海だということを、知っていて知らなかった、ということに気づいた。海は飄々と、はてしなく人の暮しを見てきた。海を見ていると少年になる。カラー60点。
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スケジュール
2013年10月23日 ~ 2013年11月05日