明円光 展

NANATASU GALLERY

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北海道出身の若手作家、明円光の個展です。おもちゃのアヒルをモチーフとし、それを大きく拡大したりトリミングをしたカラフルでポップな作品を描きます。壁面を埋め尽くす約2m×4mの大作など、油彩の新作10数点を発表します。会場には、縁日の人形すくいのようなアヒルが沢山浮かぶプールを設置し、小さな子どもでも楽しめる展示となっています。

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日常とは何か?彼の選び出すモチーフは総じて「日常」を指示しており、以前目にしたもの、もしくは目の前にあるものに対象を絞り込んでいる。それはおそらく彼が自らに設定したボトムラインだろう。しかしその一方で彼は描写を主是とする写実主義だというわけではない。また「日常」という言葉から連想される等身大の物語へのセンチメンタリズムを動機としているわけでもない。明円作品を決定的に特徴付けているのは、モチーフの「商品」としてのヴィサージュに目を付けるというやり方を暗黙の前提としていることに尽きる。例えば彼が自然物を描くときになぜ「盆栽」を選んだのか、とか、「人を横に移動させて、ただのストライプにしてしまえプロジェクト」ではなぜ女子高生とサラリーマンを選んだのか、とか。モチーフはほぼ単体で登場し、複数ある場合でも同一モチーフの反復であることが極めて多いのはなぜか等、そのことを指し示す事例は枚挙に暇がない。もちろん世の中にあるものはそのほとんどが「商品」なのだが、通常はそれを絵画の主題とした場合その商品性は一旦担保され、もっと本質的だと一般的に考えられていること、つまり「物体としての構造がどうだ」だとか「空間把握がどうした」とか、造形的なテーマに向かっていくことが普通だ。ところが彼はそういうところにはツラッとして全く話を持っていかない。そう考えると、彼の描く絵画が徹底して「メインモチーフ主義」であることにも気が付く(絵画空間の構築が主眼ではない、ということ)。近作のアヒルシリーズも例外ではなく、資本主義的日常の風景認識は広告的・カタログ的であり、なぜ彼の作品は空間にあたる部分をほぼ色面として捉え、重層構造のやり取りを構築しない、あくまでもフラットな均質空間として設定するのかもそこに理由がある。それが批判精神なのか単純なる受容なのかは、ここから先の展開ではっきりしてくるはずだが、いずれにしても彼が「我々の喜怒哀楽に直結しているはずの『日常』の断面は、どんなに感情豊かな表情を装っていようと常に『商品』として我々に直面する」という〈本質〉を切り取ってみせていることは間違いない。
──川上ニコ(作家)

[画像: 明円光 「あひる」油彩、キャンバス 53×53cm]

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スケジュール

2013年11月02日 ~ 2013年11月10日

アーティスト

明円光

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