「フクモ陶器:三途の厠」展

OVER THE BORDER

終了しました

アーティスト

福本歩

福本歩による陶器ブランド、「フクモ陶器」の作品は、手に取らずにはいられないユーモラスで愛らしい見た目の製品ばかりですが、その実態は使用用途がなく役に立たない、いわゆる「架空の」道具たちです。作品の予想外の立ち位置は、“陶器”に対して抱いているイメージとの差異を鑑賞者に訴えかけるとともに、現代における美術品の価値や、それに対する私たちの自意識そのものに疑問を投げかけます。今回の展示で福本は、「厠」をテーマとして作品を展開します。厠はいわゆる体内の汚物を吐き出すための「不浄」の場所として存在し、それはドアを一枚隔てることで私たちの世界を「浄」と「不浄」に分かつ異空間であると同時に、穢れを取り払って元の世界へ戻るための、いわゆる媒介的役割を果たす独特の場所でもあります。それは架空と現実の境界線の輪郭、意識と無意識の両面性を露わにするという点で、フクモ陶器の架空作品に似たものがあるといえます。福本歩のユニークかつ鋭い視点が生み出した架空の陶器たちが創り出す世界を経て、再度扉を開けた時に、私たちの世界に対する価値観はどのように変化するのか、ぜひ会場にて体感してください。

スケジュール

2014年4月19日(土)〜2014年6月15日(日)