渋谷清道 「決して開けてはいけないよ。」

アートフロントギャラリー

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渋谷清道は2004年に六本木クロッシングに参加。07年に東京オペラシティアートギャラリーでエルネスト・ネトとジム・ランビーとの3人展「メルティング・ポイント」に出展し注目されたアーティスト。その後は12年のアートフロントでの展覧会までほぼ5年間作家としては沈黙していたといってよいだろう。スピログラフの使用は以前と同様ながらも、ワイヤーを使用したり、具象的なドレスのような形が床から立体的に立ち上げて見せたり、12年の久しぶりの個展はこの作家の新たな出発としてインパクトと広がりを感じさせる展覧会となった。
名称としては馴染みがなくとも、円形の歯車に沿って小さな円を鉛筆で回すことで模様を描く「スピログラフ」は1965年にイギリスで考案され、日本にも玩具として輸入されブームになったこともあり、多くの人が一度は遊んだことがあるであろう。日本語で「花定規」という名称を持つくらい、描かれる線は繊細で華やかな印象がある。東京藝大で日本画を専攻していた渋谷がプロの作家としての物づくりの基本要素として、ありふれた玩具のような道具から出発したという点も非常に興味深いが、スピログラフの面白さは単純な動作から引き出される意外さ、複雑さの驚きにあると思う。本来、渋谷が興味を持つのはこうした、単純に見えるものの裏に潜む深遠さであろう。スピノグラフの模様はゴシック教会のローズウィンドウのような古くからある模様を連想するであろうし、作家によればミステリーサークルにも似た形の物があるという。渋谷が作品タイトルとして使う「オーパーツ」も考古学上、発見された場所や時代にそぐわない成立ちを持つと考えられる出土品のことであるし、彼が「人魚姫」や「金と銀の斧」などインスタレーションの背後に忍ばせる主題も、童話の背後に潜む意味や解釈に対する作家の興味に基づいている。渋谷の作品の魅力はスピログラフの組み合わせからくる繊細で複雑な美しい形態とテーマとなる物語を織り込むことで生じる展示としての面白さにある。
今回のアートフロントギャラリーでの展覧会にむけて渋谷は新たな技法を用いるという。そうして出来た新作のドローイングと、「裸の王様」を主題としたインスタレーションで今回の展示は構成される。新たな一歩を踏み出しながら、これまで同様に繊細で美しく、かつ不思議な物語を感じさせる空間を使った展示となる。
アートフロントギャラリー 近藤俊郎

[画像: 渋谷清道「ミステリーサークル/6番目の小さな海姫」(2007) 和紙、ミクストメディア 600×450×995cm、Melting Point展、東京オペラシティアートギャラリー photo:木奥恵三 courtesy by Tokyo Opera City Art Gallery]

メディア

スケジュール

2014年02月12日 ~ 2014年03月02日

オープニングパーティー 2014年02月14日18:00 から 20:00 まで

アーティスト

渋谷清道

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