本展では、サンパウロ在住の現代美術のコレクター、リカルド・タケシ・赤川氏により兵庫県立美術館に寄贈されたコレクションを中心に、日系人画家の活動に迫ります。具体的には、大正時代にブラジルに渡った半田知雄をはじめ、大竹富江、間部学らブラジルにおいて敬愛される画家たち、そして戦後に移住した豊田豊など、42名の作家による62点を紹介します。さらに、ブラジル生まれの新世代を代表する大岩オスカールに焦点を当て、国内に所蔵される作品を加えて展示を行います。日本を舞台に光溢れる日常世界をテーマにした作品群、不安や終末観の漂う作品群、2014 FIFA ワールドカップのために作られたポスターを含む、ブラジルをテーマにした作品群により、時間や空間を超え、ウィットやユーモアに満ちた世界観を表現する大岩オスカールの魅力に迫ります。大岩オスカールが「豊かな想像力の源」と述べたように、作家達にとってブラジルは想像力を掻き立てられるような聖地としての魅力がありました。