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「ガラスと絵画で見るスタニスラフ+ラドカ・ミレルの世界」展

チェコセンター東京
終了しました

アーティスト

スタニスラフ・ミレル
本展では富山を拠点として活動するチェコ人アーティストの作品を展示する。彼らの4年にわたる日本での制作を集約するものである。
スタニスラフ・ミレルはそのガラス工芸作品で、現代と神話とのつながりを表現している。たとえば「Thorovo kladivo(Thor’s Hummer)」や「Plačící Merkur (Crying Mercury)」といった作品には、作者の現実のとらえ方がはっきりと反映されている。現在の経済社会に明るい知らせを届けることができない伝令の使者であるメルクリウスが泣いている――その涙に濡れた目を覗き込むことで、社会の現状が細かに、効果的に見えてくるのである。今回ミレルは、チェコの老舗ガラスメーカーであるモーゼル社のオリジナルガラス素材を使った初めてのコラボレーション作品、ゴーレムを展示する。このゴーレムの作風は、2000年に手がけたロボットシリーズと関連している。磨きあげられたブロックを使い、技法を凝らした複雑で厄介ともいえるこのロボットシリーズでは、ロボットのプライベートな表現にも挑戦した(「Sex Unity」)。このプロジェクトでは、溶解の段階で貴金属で着色することで光によって色の変化が生まれるガラス素材を使っている。ミレルは光に敏感なガラスを復活させ、その芸術的意図を見事に素材や技法に活かしている。ネオジウム・ガラスの彫刻は、呪文を使わなくとも、光とその存在自体で魔法のように動き出すのである。
スタニスラフ・ミレルの妻であるラドカ・ミレロヴァーは絵画作品を出展する。富山にて日本の伝統的な絵画技法(墨絵)を学ぶ彼女は、二次元の表現に精通し、自分にとって重要なコンテンツを符号化して自身を取り巻く世界を認識している。絵画では主に人物を描く。ミレロヴァーの描く女性の憂いを帯びた表情やグレーの色合いは、日本社会や女性の地位に対する深い考えを感じさせる。個人的な出会いや読み知ったことに思いを巡らせて作品作りを行っている。ミレロヴァーは、ときに欧米人には想像もしえないような、伝統的な規則や慣習にきっちりと基づいた日本での生活をとらえているのである。艶めかしさを感じられる刺子作品シリーズ「Sachiko」では、ミレロヴァーは日本の伝統的な技法を用いて、点線によって、女性の純粋な美しさへの敬意を示している。また本展では、長年にわたり行っているプロジェクト「ミラーマン」も登場する。これは1995年より行っているマルチメディア・アーティストとしての活動である。ミラーマンとは、世界をそのまま映しだし同化するという目的で作られた、リアルな(ガラスの)鏡張りのキャラクターである。ミラーマンは贅沢な過剰生産に見られる、壮大な社会現象の影響を受けて誕生した。5番目となるミラーマン最新ヴァージョンは、自然界でもしばしば見られる六角形の幾何学模様がテーマとなっている。

スケジュール

2016年4月1日(金)〜2016年4月27日(水)

開館情報

時間
10:0019:00
休館日
土曜日、日曜日、祝日
チェコの祝日は休館
入場料無料
会場チェコセンター東京
http://tokyo.czechcentres.cz/
住所〒150-0012 東京都渋谷区広尾2-16-14(チェコ共和国大使館内)
アクセス東京メトロ日比谷線広尾駅2番出口より徒歩10分、 JR山手線・埼京線恵比寿駅西口より徒歩16分 
電話番号03-3400-8129
関連画像

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