第二次世界大戦後、連合国の占領下にあった日本。オキュパイドジャパン(OJ)とは、民間貿易が再開された1947年から1952年(昭和22年から27年)にかけての5年間にGHQが「Made in Occupied Japan(占領下の日本製)」の刻印を義務づけた輸出品のことです。OJ印がつけられた製品は、陶磁器や装飾品、衣類、カメラ、ミシン、玩具、日用品など多種多様で、その希少価値から米国とカナダを中心に収集の対象となり、愛されてきました。
本展では、米国オキュパイド・ジャパンクラブ代表の田中荘子氏のコレクションから、名古屋、瀬戸、有田などの産地で当時、製造・輸出された陶磁器約200点を里帰り展示します。終戦後の厳しい状況であったにもかかわらず、日本人はものづくりから生活を、誇りを取り戻しました。日本が占領下にあったという歴史さえ忘れ去られつつある今、当時の人々のエネルギーと熱意のこもった陶磁器は、私たちに平和のメッセージを伝えてくれます。美しく愛らしい陶磁器の品々から、日本のものづくりと戦後70年を見つめます。