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磯谷博史 「すきまを育てる」

板室温泉 大黒屋
終了しました

アーティスト

磯谷博史
板室温泉大黒屋では初めての個展となる本展では、新作4点を含む写真作品16点を展示いたします。
磯谷博史の写真作品は、「降り積もった雪に、玄関のドアが円弧を描く」「苺の実に、アクリルのカプセルを被せて育てる」「床に落ちたプラスチックカップに光が差し込み、思いもよらない乱反射がおきる」など、物理的、力学的な作用が繰り返しモチーフとして表れます。こうした因果関係や作用と反作用の様相を「釣り合いをさぐる景色」と磯谷は呼び、その過程にある事物の危うさや儚さ、世界が微妙なバランスで存続していることを見つめる視点が、継続されてきた小さな写真作品群に独特な気配を伴って結実しています。セピア調といえる一連のモノトーン作品は、カラーで撮影された写真から色彩を意図的に減退したものです。同時に、かつて写真の中にあった特徴的な1色または2色が、その写真を支えるフレームの一部に着色されています。磯谷は一枚の写真を、いわば形と色との因果関係にあえて構造的に分解し、作品化しているのです。作家はこの分解を「すきまを育てる」と捉え、作品はこの「すきま」によって観客の思考を呼び込むパズルとなり、シンプルで素朴な認識への揺さぶりを投げかけてきます。現在に属ずる物としてのフレームが、色彩を介して、撮影された写真の過去のイメージとリンクする点においても、安定し統合された事に「すきま」を設けようとする作家の態度が見てとれるでしょう。また作家は、過去にこの写真作品群について「写真にフレームをとりつけるのではなく、フレームという物質に写真を貼る」と話しています。こうした言葉からも彼が写真に対し「何が写っているか」だけでなく「物質」として写真を捉え、考察していることがわかります。

[関連イベント]
アーティストトーク
日時: 8月18日(木)20:00〜21:00

スケジュール

2016年8月1日(月)〜2016年8月30日(火)

開館情報

時間
9:0017:00
入場料無料
会場板室温泉 大黒屋
http://www.itamuro-daikokuya.com/art/
住所〒325-0111 栃木県那須塩原市板室856
アクセスJR宇都宮線黒磯駅よりバス35分「板室温泉」下車徒歩3分
電話番号0287-69-0226
関連画像

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