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佐藤好彦 「ALTERNATING CURRENT」

ラディウムーレントゲンヴェルケ
終了しました

アーティスト

佐藤好彦
「美術作品はコミュニケーションのための道具である、と画廊を開けた頃とあるキュレーターに言われたことがある。なるほど作品を通して作家と観客と画商とあるいはその他諸々の関係者があーだこーだ語る場が形成されることを思えば、これはあながち間違いではない。しかして佐藤好彦は今回、そのコミュニケーション、というかその原点「接続」を物質化し作品自体をコミュニケーションのシンボル、あるいはモニュメントとして制作することをはじめた。じつはこの展開はこれまでの佐藤の制作姿勢からは明らかに一線を画する出来事なのである。
振り返るに出世作の「Present Arms」(2003)から、4年前のラディウムでの個展で発表された平面作品群「Schema」シリーズに至るまで、佐藤の作品は常に自己探求をベースとし、時にそれらは象徴化された自画像であったと言っても過言ではない。一見のクールな印象を裏切るコンセプトの人間臭さこそがその基本のスタイルであったのだ。一方今回のステートメントとプランを見るに、自己性といった感覚は希薄である。作品を制作する上での基本的なスタンスを改めて明確にし、今回の主題にこれまでにない真っ向からの姿勢で立ち向かう姿をみる。佐藤はここへ来て初めて自らの立ち位置からから外を見る事への方向転換を謀っているのだ。
そうした重要な転換に際し「空っぽの彫刻」というステートメントのタイトルは意味深長である。佐藤の作品の表面の仕上げの美しさは定評のあるところではあるが、その表面を支えるのは物理的な何かではなく脳内で補完される「何か」と説く。それは現代美術が本来担わなければならない、哲学の視覚化という作業をブラックボックスという比喩を通して物理的に表現し得る物になるのではないか。その最初の作品が人間の在り様の原点のひとつであろう「コミュニケーション」をテーマにした作品に結実していくのは、決して偶然ではないのだ。」(レントゲンヴェルケ 池内務)

スケジュール

2016年10月7日(金)〜2016年11月1日(火)

開館情報

時間
12:0018:00
休館日
水曜日、木曜日

オープニングパーティー 2016年10月7日(金) 19:00 から 00:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttp://roentgenwerke.com/wp/yoshihiko-satoh-solo-exhibition-alternating-current/
会場ラディウムーレントゲンヴェルケ
住所〒103-0002 東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17
アクセスJR馬喰町駅より徒歩4分、JR・都営浅草線浅草橋駅より徒歩4分
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