poster for Project N 66 村上早
[画像: 村上早 「かくす」 (2016) 銅版画 118.0×150.0cm]

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村上の銅版画作品を特徴づけるシンプルで素朴な線は、描く対象を観察してその個別的な相をとらえて描写するのではなく、対象をある種一般的な相のもとに想起し、それを精神的な負荷のかかった記号、いわば精神の文字として刻印します。その線は、習作や下描きなしに、思い浮かぶとともに直接、なかば無造作に筆とポスターカラーで版面に描かれ、ときにぎこちなく武骨でさえあります。そこには、フォルムを彫琢するとか、そぎ落とすとか、そういう発想が入り込む余地はありません。村上自身、表面的なフォルムの充実よりも、描くことの原初性、自発的な直接性を大切にしているといえるでしょう。
版画メディアの制作プロセスには、様々な段階とレベルにおいて刷りや腐蝕など間接性と直接性のドラマがあるのですが、村上はその重層性を、人間存在の痛みをめぐる自己の表現ベクトルにおける重層性と共鳴、共振させることに成功しているといえるでしょう。村上において、版画というメディアは、たんなる表現のための手段にとどまらず、表現の内実を生み出す重要な契機となっているのです。

メディア

スケジュール

2016年12月10日 ~ 2017年03月12日

アーティスト

村上早

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