「Identity XII 崇高のための覚書 - curated by Taro Amano -」

nca | nichido contemporary art

終了しました

アーティスト

川久保ジョイ、小西紀行、對木裕里、平川恒太、藤井健司、森下明音、楊珪宋

本展は、展覧会タイトルにある「崇高」をテーマにしていますが、それぞれの作家がそのテーマに従って作品を制作した訳ではありません。「崇高」という概念は、作品を受容する側が感じるべき領域に属するものだからです。本展では個々の表現行為に向き合い、そこで喚起される情動を経験していただきたいと考えます。
19世紀を境に絵画から「神話」「歴史」「宗教」といった主題が失われてゆきます。誰もが美術の受容者になりうる社会となり、共通の認識そのものが喪失されたといえます。そして、主題は作り手の表現から個別に生まれ始めます。現代では、そうした個々の作り手から発せられる主題に多面的な関わり方をすることで、作品を囲む場にはある種の共通感覚が生まれるのです。
今日の極端な反知性主義、人智の及びえない事態、部分が打ち捨てられ全体が優先される社会であるからこそ、本展のような取り組みが必要なのではないでしょうか。

スケジュール

2016年6月24日(金)〜2016年7月30日(土)