須崎祐次。日大芸術学部写真学科卒業後に渡米。1992年帰国後、フォトグラファー、プロデューサー、アーティストとして、写真表現を軸にマルチな活動を行っています。ジャパンカルチャーの象徴とも言えるコスプレに迫った作品『COSPLAY』は、PX3 Fine art-photo book2013で入賞を果たし、フランス、ベルギーのアートフェアではヨーロッパの多くの美術コレクターを惹きつけて話題を呼びました。今回の新作で須崎は中国古来の思想家、老子に着目します。欲求と背徳の境界に揺れる人間の感情。須崎はその性的モラルの拘束を、マスクや覗き穴を使って解放させようと試みます。最新作『Hole of Human』は、自己を失う危険を冒しつつ他者へと身を溶け込ませようとする危うさを、ユーモアというオブラートに包んで写真作品を作り上げました。空想の余地を残すことで受け手の想像力をかきたてる独特なフェティシズムの視点。現代ジャパンカルチャーを纏わせた須崎ワールドの最新作をどうぞご覧ください。