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[画像: 「Formless (detail)」 (2016) acrylic on newspaper 54.0 x 79.7 cm © Yohei Kichiraku, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY]

吉楽洋平 「Formless」

KANA KAWANISHI GALLERY
終了しました

アーティスト

吉楽洋平
《Formless》は、吉楽が初めて訪れた欧州にて直面した強烈な体験に基づいて、一年以上の準備期間を経て制作された新シリーズです。自身の写真集刊行を記念して2015年11月に渡仏した吉楽は、サイン会前夜に、パリの街がテロに襲撃された事実を知ります。さらに空港への帰路のバスでは「前方に爆破物あり」との誤報を受け、パニック化した車内を離れ近隣民家へと他の乗客と共に散り散りになって駆け込むという、生々しい出来事にも遭遇します。一連の出来事は、それまで日本で生まれ育った吉楽にとって、様々な民族がそれぞれの歴史観を元に複雑に絡み合い、融け合わず縺れ合ってゆく「今」の世界の姿を、ありありと強烈に意識させる契機となりました。この作品で吉楽が浮かび上がらせているのは、パリ同時多発テロ事件以降に見えてきた世界の姿です。帰国後一気に新作の構想を練り上げ、約一年間の準備期間を経て制作された本作は、世界各地の新聞紙に「エブル(マーブリング)」を施す手法が取られています。日本では「墨流し」とも称されるマーブリングは、一般的には欧州の装飾技法として知られていますが、世界最古のマーブリング(墨流し)が日本に現存している事実はあまり知られていません(京都・西本願寺に保管される「京都三十六人集」が現存資料として世界最古とされます)。9〜10世紀頃に中国/日本で生じシルクロードを渡った墨流しは、トルコを基点に15世紀頃より欧州各地へと派生していきましたが、帰国後の吉楽は一年間掛けてこのトルコ発祥エブル技法を学びます。エブルの持つ抽象性と流動性に着目した吉楽は、その特性をグローバリズムにより流動化する世界の姿と重ね合わせます。また国や文化の垣根を越えて発展していったマーブリングの歴史と、情報化により日々急速に変化する現代の社会とを比較しています。
[トークイベント]『もし世界がマーブリングだったなら』—マーブリングを手掛かりに現代社会を美術的観点からかんがえる—
登壇者:
阿部真弓氏(近現代美術・表象文化論/国立西洋美術館リサーチフェロー)
鈴木芳雄氏(編集者・美術ジャーナリスト)
吉楽洋平
日時: 12月17日(土)19:00~20:30
会場: KANA KAWANISHI GALLERY
参加方法: 聴講無料、参加不要、定員30名

スケジュール

2016年12月17日(土)〜2017年1月29日(日)

開館情報

時間
13:0018:00
土曜日は13:00〜19:00
休館日
月曜日、火曜日、日曜日、祝日
備考
休廊: 12月23日~1月9日、日・月・祝祭日、最終日のみ日曜日開廊

オープニングパーティー 2016年12月17日(土) 17:00 から 21:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttp://www.kanakawanishi.com/news
会場KANA KAWANISHI GALLERY
http://www.kanakawanishi.com/
住所〒135-0021 東京都江東区白河4-7-6 白河和楽ビル 1F
アクセス東京メトロ半蔵門線清澄白河駅B2出口より徒歩9分、都営新宿線菊川駅A4出口より徒歩9分、都営大江戸線清澄白河駅A3出口より徒歩14分
電話番号03-5843-9128
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