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[画像: 篠原愛 "森の中 / In the Forest" 2016 油彩、綿布、パネル 91.0 x 116.7cm ©Ai Shinohara]

篠原愛 「サンクチュアリ」

Gallery Momo Ryogoku
終了しました

アーティスト

篠原愛
篠原愛は 1984年鹿児島県生まれ、2007年多摩美術大学卒業、当ギャラリーで5度目の個展になります。2009 年の第28回損保ジャパン美術財団選抜奨励展をはじめ、今年はVOCA展2017にも選出されました。近年は、映画監督・園子温氏の小説の装丁や映画ポスターに作品が使われるなど、他ジャンルとの交流により活躍の場を広げ、個展初日には初の画集も刊行されます。
今展では長年モチーフにして来た半人半魚を中心に画面を構成し、作家が常に大きなテーマとしている「性」に、アニミズムや仏教的自然観の要素を加えた作品を展示します。人魚は視覚的に美しく、見る者に幸福感を与える一方で、人間の男性を誘惑して海に引きずり込み、その肉を食する獰猛な一面も 併せ持つとも言われています。篠原は、そこに現代を生きる女性が持つ二面性を見出し、「性とは何か、女とは、男とは何か」という疑問を投げかけています。 初期の作品は、人間や動物の腹部などが切り裂かれたイメージなど死を連想させるモチーフを描くことで生を強固に表現してきましたが、近年では「性」 を題材にし、動植物の旺盛な生命力、命をはぐくむ自然の計り知れないエネルギーを描き出してきました。作家はグロテスクに湾曲する人魚の形そのものや、鱗の描写などが、造形的に自身の作品表現にしっくりくると言い、初期の作品に見られる要素を垣間見ることができます。また、仏教美術の影響を受けた植物や装飾品は、象徴的に描かれ強いメッセージを含み、「性」を肯定的に表現した春画や、生命力に溢れながらどこか幻想的に動植物を描いた伊藤若冲の作品を参照することで、アニミズムや仏教的自然観、性というテーマを融合させています。
今展のタイトル「サンクチュアリ」には、聖域や避難場所、或は安らぎの場所という意味があり、鑑賞者が作品を見ることで一瞬でも嫌なことを忘れ、 そこに安らぎの場が生まれることを意図しています。同時に「絵を描く」行為そのものもまた同様で、作家自身にとって現実世界から逃避するための唯一の手段であり、安らげる居場所ともなっています。
油彩作品6点を中心に展示する予定で、3月11日より上野の森美術館で開催されるVOCA展2017と共にご高覧いただければ幸いです。

スケジュール

2017年3月11日(土)〜2017年4月8日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
入場料無料
会場Gallery Momo Ryogoku
http://www.gallery-momo.com/
住所〒130-0014 東京都墨田区亀沢1-7-15
アクセス都営大江戸線両国駅A3出口より徒歩1分、JR総武線両国駅東口より徒歩5分
電話番号03-3621-6813
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