終了した展覧会・イベントです
[画像: 大垣美穂子「Milky Way - Threshold 01」 (2017) FRP, LED, Dimmer, Wood / 168 x 70 x 70 cm / Courtesy of KEN NAKAHASHI]

大垣美穂子 「Threshold」

KEN NAKAHASHI
終了しました

アーティスト

大垣美穂子
くも膜下出血と診断され闘病期間を経て病を克服した大垣は、一層深く生そのものに沈潜し、また生そのものに生きる途を見出す手段として死を見んとする詳細な反省の繰り返しの中で、立体、インスタレーション、ドローイング、映像、パフォーマンスなど多岐にわたるメディアを用いて、「死」や「老い」に対する畏怖と崇敬を具現化した作品を発表してきました。
銀河のような光を放つ年老いた人物をかたどった立体《Milky Way》シリーズ、メルセデス・ベンツを解体そして無数のビーズで装飾し、その内部に鑑賞者が「死体」として身を横たえる宮型霊柩車を模った《before the beginning – after the end》、自身の身体をモチーフに「生きていることの実感」と「死を思うこと(メメントモリ)」の確認作業とも言える無数の点で描かれたドローイング作品《Star Tale》シリーズなど、死や老いといった概念を表現したそれらの作品はダイナミックかつ壮麗です。
大垣の身体性をもって制作した、無数の穴やビーズ、光などの集合体で構成されるそれらの作品は、人々の多次元にわたる数え切れない集合意識の渦となって空間に立ち上がります。
「最初粘土で型を作ってから、石膏型をとってFRPや紙で作るのですが、型をとっていくとだんだん最初に作った像と異なって、歪みが出てくる。しかし、その歪みが、まさしく老人じゃないと出ない歪みだったりする。立体を作っている時の偶然の歪みが、自分が頭で考えて作る歪みよりもリアルだ。」と制作過程について大垣は語ります。
これまで発表してきた《Milky Way》シリーズは、座っていたり、寝転んでいたりした年老いた人間の身体がモチーフとなっていました。「死を目の前に向かう新境地。物事の開始点。」を意味する「Threshold」と題された本展で発表する新作は、腰を曲げつつも立ち上がり、前に進もうとする立像となります。
FRPで作られた作品の表面には感情のメタファーとして無数の穴が開けられており、ギャラリーの空間全体が銀河のように光り輝きプラネタリウムのようになります。大垣の探求する「生」や「死」そして「老い」というテーマについて、鑑賞者それぞれとの対話が生まれることになるでしょう。

スケジュール

2017年3月31日(金)〜2017年5月6日(土)

開館情報

時間
13:0020:00
休館日
日曜日、月曜日
入場料無料
会場KEN NAKAHASHI
https://kennakahashi.net/
住所〒160-0022 東京都新宿区新宿3-1-32 新宿ビル2号館5F
アクセス東京メトロ丸ノ内線・副都心線・都営新宿線新宿三丁目駅C1またはC5出口より徒歩2分、JR新宿駅東南口より徒歩6分
電話番号03-4405-9552
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