終了した展覧会・イベントです
[画像: KOURYOU]

KOURYOU 「Memex - キツネの部屋 -」

ゲンロン五反田アトリエ
終了しました

アーティスト

KOURYOU
KOURYOUは、2008年から「クリックスピリット」というブラウザゲーム形式のウェブサイトを制作・運営している。
「クリックスピリット」は、KOURYOU自身と彼女が声をかけた複数のクリエイターによる膨大な数のイメージやテキストが、無数のハイパーリンクによって繋がり、迷宮のように入り組んだ構造を持っている。現在も拡大し続ける「クリックスピリット」は、彼女の代表作であると同時に、KOURYOUという作家の活動や思考全体が包括された、壮大な仮想世界である。
当初は完全な閉鎖世界として展開していた「クリックスピリット」が、その「外部」と明確に関係を持ち始めたのは、東日本大震災の後だった。被災地を訪れたKOURYOUは、そこで目にした被災地の風景と、無数のハイパーリンクが埋め込まれた「クリックスピリット」のイメージがダブって見える、という、いささか倒錯した感覚を覚えたという。その結果、「クリックスピリット」に被災地の風景が取り込まれることになった。その作品は、2013年の『であ、しゅとるぅむ』展(筒井宏樹企画)、『LITTLE AKIHABARA MONUMENT』展(カオス*ラウンジ主催)に出品された。
その後も、HP福島県いわき市に残る無数の昔話、伝説をモチーフにしたウェブサイト「いわき伝説ノート -キツネ事件簿-」(2016年、カオス*ラウンジ市街劇『怒りの日』出品)を立ち上げるなど、「クリックスピリット」の世界は拡大し続けている。
しかし、今回の個展は、拡大を続ける「クリックスピリット」の最新バージョンを披露する、というものではない。そうではなく、KOURYOU自身によって、そもそも「クリックスピリット」とは何か、という問いが投げかけられるのである。
タイトルの「Memex」という言葉でも示されているように、KOURYOUはコンピューター史、インターネット史から見た「クリックスピリット」の意義を明らかにしようとしている。原子爆弾の開発にも深く関わっていたヴァネヴァー・ブッシュが1945年に書いた論文「われわれが思考するごとく(As We May Think)」のなかで描いた「Memex : MEMory EXtender(記憶拡張機)」は、現在のコンピューターの「起源」のひとつとしてよく知られているが、連想でつながる記憶(データ)というアイディアは、まさに「クリックスピリット」の根幹にある発想だろう。
おそらくKOURYOUは、「Memex」が考案された時点までコンピューター史、インターネット史を遡ることによって、現在とは別の未来、別の進化を遂げたコンピューター、インターネットとして「クリックスピリット」を提示しようとしている。つまり、なぜ私たちのコンピューター、インターネットは「クリックスピリット」のようでないのか? と、KOURYOUは問いかけているのである。

スケジュール

2017年4月14日(金)〜2017年4月30日(日)

開館情報

休館日
イベントにより異なる
備考
開館時間: 15:00〜20:00、月曜日は休館

オープニングパーティー 2017年4月14日(金) 18:00 から 20:00 まで

ワンドリンク制

入場料無料
展覧会URLhttp://chaosxlounge.com/wp/archives/2010
会場ゲンロン五反田アトリエ
http://school.genron.co.jp/gcls/
住所〒141-0022 東京都品川区東五反田3-17-4 糟谷ビル2F
アクセス都営浅草線五反田駅A6出口より徒歩4分、JR山手線・東急池上線五反田駅東口より徒歩7分
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します