中原昌也 展

WAITINGROOM

poster for 中原昌也 展
[画像: 中原昌也 「Untitled」 (2016) mixed media on paper 243x351mm]

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当ギャラリーでは初の、国内では約5年ぶりの本格的な個展開催となる中原は、ノイズユニット「暴力温泉芸者」や「Hair Stylistics」名義での音楽活動のみならず、三島由紀夫賞、野間文芸新人賞、ドゥマゴ文学賞を受賞した小説家として、また映画評論家としてもその名を知られているほか、コラージュやペインティングを中心に作品を発表する美術作家としても制作活動を行っています。本展は、多岐にわたるジャンルにおいて表現活動を行う中原による、ペインティング、ドローイング、コラージュ、映像、そしてサウンドを使った新作で構成され、WAITINGROOMのギャラリースペースを拡張して開催します。

悩める化け物は目を覚ますのか -「表現」を求める行為の断片とそのコラージュ
「いま、ここで普通に感じること以外を積極的に表現しようとすることは、どうやらこの国では罪になるようだ。それはそうだろう。すこしでもこの世界から離れてみれば、いかにすべてが欺瞞で下らないものばかりに満ちているかを感じることになるだろう。虫けらでも感じられるような安手の「感動」を売りつけ、それぞれの個の人間の持つ痛みなどよりも『人間の痛みは皆同じ』ことばかり描いているものばかりを人々は好むように仕向けられている。それを否定することは、この国の政治にとって都合が悪い」2008年、Bunkamuraドゥマゴ文学賞の受賞の言葉として、中原はこう語りました。

ノイズミュージック界のカリスマ的存在として知られる中原の活動は、音楽に留まらず、文学、映画評論、そして美術作品制作にも及びます。ポルノ雑誌などから切り抜かれたイメージを組み合わせて作られるコラージュや、ボールペン・マーカー等身近な素材で描かれたドローイング。そして時にその両方を組み合わせて制作される平面作品は、既に存在する断片を繋ぎ合わせて構成される音楽や映画を彷彿とさせます。

白目を剥き大きく口を開けた人間の顔。むき出しの腕や足といった人体の断片。裸体の肌色。不穏な印象を残す赤や黒の線。グロテスクとも言えるモチーフにこそ目を奪われますが、中原の作品の多くは、コラージュに用いられる写真の引用元こそあれど、作品それ自体に表立った意味や文脈は存在せず、彼の内面に広がる世界が自動筆記的に表されていると言えます。「正しさ」に基づく表現が振りかざす権力や権威、またそれらを誇示するために存在する表現から得られる「感動」とは、一体何なのでしょうか。モチーフの強烈さとは裏腹にさらりとした表面で平然と展示される作品たちは、綺麗でないものは無かったことにされる、わけがわからないものは良しとされない、そんな現況への憤りを秘めているようです。

中原は、WAITINGROOMが今までに仕事をしたアーティストの中でも、その存在が特異であるがゆえにギャラリーとアーティストという関係の枠組みに、安易にはまらない形で進んでいきました。そしてこの特異な化け物的存在・中原昌也は、今この瞬間も悩んでいます。「自由である」とはどういうことか。「野蛮であること」「特別であること」「特別ではないこと」、それは一体どう分けられるのだろうか。音楽・文学・美術といったジャンルはもとより、好き/嫌い・良い/悪い・わかる/わからない といった評価軸をも超越し、確かにそこに存在する - そんな純粋な表現を求める中原の新作に、そしてこの悩める化け物が目を覚ますのか、是非ともご期待ください。

メディア

スケジュール

2017年05月27日 ~ 2017年06月25日

オープニングパーティー 2017年05月27日18:00 から 21:00 まで

アーティスト

中原昌也

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