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[画像: 岩崎貴宏「アウト・オブ・ディスオーダー (コスモワールド)」 (2011) サイズ可変、髪の毛・ほこり、横浜美術館蔵]

岩崎貴宏 「ひかりは星からできている」

URANO
終了しました

アーティスト

岩崎貴宏
岩崎は、私たちが日常を送る中で見過ごしてしまっている現実を、対象との距離、スケールを変えて可視化することで、私たちの意識を変容させます。電力の問題についても早くから着目し、東日本大震災直後に計画停電で停止した横浜の大観覧車を目にし、その様子を自身の髪の毛で制作、また同時に、福島第一原発の電源全喪失の一因とされている、倒壊した夜ノ森線第27号受電鉄塔も髪の毛で制作し、2011年の横浜トリエンナーレで発表しました。
また、現在開催中のヴェネチア・ビエンナーレでは、原子力や資源開発などのエネルギー問題、戦後の高度経済成長を支えながらも公害を引き起こした化学工場など、周縁地域が共通して抱える問題に目を向けた作品を通じて、異なる視点からの日本像を提示しました。本展でも出品予定の「アウト・オブ・ディスオーダー(海洋モデル)」シリーズは、日本辺境の洋上で海底の石油を採掘するオイルリグと周辺の島々をモチーフとし、使い捨ての弁当箱やストロー、ビニール袋といった石油製品のプラスチックごみから作られています。全体の色調は黒に統一され、原油のイメージとともに、雪舟など東洋の水墨画を想起させます。テーブルの比率、オイルリグと島々の配置は京都・龍安寺の枯山水より引用されました。近年の中国の経済発展と領土拡大政策により顕著となった、海底資源の権利を巡る東アジアの海上国境線の攻防を背景としてこの作品は作られましたが、枯山水という形式もまた、中国の庭園や水墨画に影響を受けながら日本で発展したものであるのです。
岩崎の作品の特徴のひとつでもある、スケールダウン、鳥のように俯瞰する天上からの視点は、ある風景から世界そのものへと繋がる遠心性をも孕んでいます。地球の歴史から見た私たちの生きている期間はほんのわずかで、大地すらも地殻変動で少しずつ変化を続けています。そのようなフラジャイルな世界で私たち生き物は興亡を繰り広げているのです。岩崎の独特な視点は、いま一度私たちを原点に立たせ、進むべき道の可能性を示唆してくれることでしょう。
※ご好評につき会期を12月16日まで延長いたしました。

[関連イベント]
岩崎貴宏トーク&パーティー「ヴェネチア・ビエンナーレ そしてその先へ」
日時: 10月22日(日)15:30-16:30 岩崎貴宏トーク、16:30-19:00 パーティー
出演: 岩崎貴宏(美術家)、高橋瑞木(Co-Director, MILL6 Foundation)
会場: T.Y. Harbor River Lounge(天王洲)
参加費: 4,000円(税込)※要予約

※イベントの詳細・申し込み方法は公式ホームページをご確認下さい。

スケジュール

2017年10月21日(土)〜2017年12月16日(土)

開館情報

時間
11:0018:00
金曜日は20:00まで
休館日
月曜日、日曜日、祝日
備考
日曜日・月曜日・祝日は休廊、金曜日は20:00まで

オープニングパーティー 2017年10月21日(土) 18:00 から 20:00 まで

入場料無料
会場URANO
https://urano.tokyo
住所〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 3F
アクセス東京モノレール・りんかい線天王洲アイル駅より徒歩8分、JR品川駅港南口3番乗り場より都営バス(八潮パークタウン行き、品91)「天王洲橋」下車徒歩3分
電話番号03-6433-2303
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