シンキチ・タジリ 展

BLUM & POE

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BLUM & POE (東京) は、ロサンゼルス出身の日系アメリカ人であるシンキチ・タジリによる彫刻展を開催いたします。当ギャラリーでは初、日本では 50年以上ぶりの個展となる本展は、戦中、戦後の米国での日系人への非友好的な状況から始まった、流浪の歴史を経た作家の祖先のルーツとなる日本への没後の凱旋と言えるでしょう。
当初は、戦後ヨーロッパで始まり、舞台となったコペンハーゲン、ブリュッセル、アムステルダムの頭文字から名付けられた「CoBrA <コブラ>」と呼ばれる美術動向と関わりを持ち、タジリは抽象表現やシュルレアリスムの様式を取り入れた彫刻制作からキャリアをスタートさせました。次第に、映像、写真、コンピューター・グラフィックスなど、当時は先鋭的であった多岐にわたる手法を用いて、シュルレアリスム、ポップ、そしてミニマリズムといった要素をミックスした作品を発表していくようになります。本展では、多様な作品群の中から、作家個人の私的なトラウマ体験、より広義の社会政治的な不義、といった要素へと対峙した2つの代表的な彫刻シリーズである「ウォーリアー <戦士>」と「ノット <結び目>」を発表いたします。
タジリは日系アメリカ人一世の息子として生まれますが、一家を取り巻く環境は、日本軍による真珠湾攻撃により激変します。18歳だったタジリは、当時アメリカに住んでいた120,000人以上の日系人とともにアリゾナの強制収容所へ移送されました。収容所生活から逃れるため、1944年に、その大部分が日系アメリカ人によって編成された、アメリカ軍第442連隊戦闘団へと入隊しますが、イタリアでの戦闘で負傷し、その後、非戦闘部隊へと送られることとなります。1946年のアメリカへの帰国後、タジリはシカゴ美術館附属美術大学で一年間学びますが、戦後の米国で直面した反日感情がきっかけとなり、1948年にパリへと移り住みました。現地では、ロシア人彫刻家オシップ・ザッキンやフェルナン・レジェと親交を深め、後にアスガー・ヨルンらとともに結成した「CoBrA」の一員となるカレル・アペル、コンスタン、 コルネイユといった作家たちとも出会うようになります。彼らは、1949年にアムステルダム市立美術館で行われ、1951年にベルギー、リエージュのパレ・デ・ボザールで開催された「International Exhibitions of Experimental Art」展に彼を招待しました。作家は、1940年代後半から50年代初期にかけてパリで活動し、1957年にオランダ人作家のフェルディと結婚します。その後、オランダに拠点を移し、オランダ国籍を得ました。
緻密に構成された抽象彫像作品のシリーズ 「ウォーリアー」は、 戦国時代の甲冑や近代兵器、そして漫画といった要素からの影響を受けています。そこには、見張り兵、主君に仕える武士、または主君を持たない侍を指す浪人など、様々な戦士という存在への作家の深い興味が伺えます。前線での戦闘、自主的な亡命や強制収容所での体験をもとに生み出された同シリーズからは、強さ、暴力、あるいは、護りや脆弱さといった逆説的な要素の共存が暗示されています。 タジリはこのシリーズについて、「戦争の恐怖から自分の身を洗い清めることの必要性を表現している」と語っています。2007年、オランダのベアトリクス女王はタジリの功績をたたえ、南東部の都市フェンローのマース川に架かる橋に、「センティネル <歩哨> 」シリーズの4体の大型彫像を恒久設置しました。
本展には、「ノット」シリーズにおける主要作品も含まれています。同作品は、ミニマルでありながら、平和的な融和の表現と同時に、絡み合った現実の複雑さといった矛盾をも内包していると言えるでしょう。同作について、タジリは次のように述べています。「私は、アートシーンを侵略しているまやかしを打破する彫刻、誰にでも伝わり、そして時間を超越する彫刻を作りたかったのです」同シリーズは、紙で作られた小型の繊細なレリーフ作品から、記念碑のような大型の野外彫刻作品まで、様々な規模で制作され、オランダ各地やロサンゼルスといった都市で展示されてきました。

メディア

スケジュール

2017年09月08日 ~ 2017年10月21日

オープニングパーティー 2017年09月08日18:00 から 20:00 まで

アーティスト

シンキチ・タジリ

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