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鈴木知佳 「ここにある不在」
終了した展覧会・イベントです
[画像: 鈴木知佳「名付けられた色の終わり 名付けられない色のはじまり」 – 部分 (2016) 砂、海岸、甑島 N 31° 50’ 37” E 129° 54’ 46” 100×100×50cm]
鈴木知佳 「ここにある不在」
代官山ヒルサイドフォーラム
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鈴木知佳は、森羅万象の悠久の時の流れの内で、人の営みが作り出した事物が過ごす時に目を向け、存在の起源を辿り、事物が体現している時間 —生成と消滅の繰り返しの内に在る、いま— に臨む手立てとして作品を発想しています。
「空白のドローイング」は透明なアクリル樹脂の内側にモチーフとなるものの分の空白を模刻する凹面彫刻シリーズです。モチーフの形に削り抜かれた空洞としてイメージが現れることは、同時に質量としては失われることであり、ものの消失それ自体が空白として時を留めアクリルキューブの中に固定されます。シリーズのはじまりのモチーフは漂流物でした。漂流物の風化した姿形がそのものがこれまで過ごしてきた時間を体現していると捉え、漂流物の形の空洞をうつしとることで、存在に与えられた生成から消滅迄の時間を辿り、その存在のこれまでとこれからを手の内で繰り返す試みとして、ドローイングと位置づけられ制作されてきました。
「ここに在る不在」と題された本展では絵画とドローイングをモチーフに「空白のドローイング」シリーズを展開します。透明なアクリル樹脂の内側に浮かぶキャンバスや紙切れは、絵画やドローイングをモチーフに彫られた空洞です。絵画に描かれたイメージを前にするということは、イメージ自体の現前とイメージされたもの自体の不在を同時に目の前に置くことです。「空白のドローイング」では本来イメージが描かれているはずのキャンバスや紙は、細密に写し彫られた表面のみを空白の外郭として留め、描かれた筈のイメージも、存在としての質量も失っています。そこにはイメージと化した絵画の現前とイメージの表出されるはずの場の不在も重ねられ、アクリル樹脂の内側には空白となった絵画が不在のまま静かに佇むこととなります。
合わせて発表される「名付けられた色の終わり 名付けられない色のはじまり」は、緯度、経度の示された海岸や都市の路傍等、作家が訪れた各地で採集した砂を色に識別して並べた作品です。僅か1ミリ足らずの砂粒でありながらも、プラスチックやガラス、貝殻、金属、石等かろうじて元の素材が感じられます。それは、風化して砂粒程に小さくなった、それでもかつて私たちの日々の生活の中に存在していた何かでした。色の名前は人が自然のなかに見出して名付けていったことで手に入れた文明のアーカイブでもあります。人が一度名付けることで手にした日用品として形を与えられた色が、役割を終え、姿形を失いながらも自然の時間の内で時を刻み続けています。
砂と化した時の標本と、キャンバスや紙の-かつて在った/いまは無い- いつか満たされるかもしれない空白を前に、存在することのいまを問う眼差しをご覧ください。
会場: gallery ON THE HILL(ヒルサイドテラスF棟1階)
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スケジュール
2017年7月25日(火)〜2017年7月30日(日)
開館情報
休館日
イベントにより異なる
備考
開館時間: 11:00〜19:00
入場料
無料
会場
代官山ヒルサイドフォーラム
http://www.hillsideterrace.com/
住所
〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町18-8
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アクセス
東急東横線代官山駅より徒歩3分
電話番号
03-5489-3705
関連画像
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#絵画・平面
#ドローイング
#彫刻・立体
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