終了した展覧会・イベントです
[画像: (c) Yu HIRAI, 人形の声 / A Doll's Voice, 78×57cm, 2017]

ひらいゆう 「疑問符の森 - Forest of Questions - 」

Gallery OUT of PLACE TOKIO
終了しました

アーティスト

ひらいゆう
過去33年に渡ってヨーロッパを拠点にし、常にデラシネの環境に身を置きながら、主に写真作品を発表してきたひらいゆう。今回は一旦写真制作にピリオドをうち、ここ2、3年同時に進めていた水彩によるドローイング作品に的を絞った展覧会を開催します。
人形とそれを作ったはずの人間がいつしか入れ替わる瞬間、幼児性と隣り合わせのイノセンスや残虐性、日本を外から見続ける中で起こる孤独と混沌、アイデンティティの心許ない在り処など、決してシンプルにはいかない輻輳的に重なり合った人間の精神の襞を静かに開くように、ひらいは独特の色彩感覚とタッチで表現しています。
是非この機に、人の内面をあぶり出す『疑問符の森 - Forest of Questions -』と題されたひらいゆうの世界をご高覧下さい。
作家コメント: 二十歳の時、ヨーロッパに遊学する準備をしている際に、父が日本人でないということを知らされました。日本で生まれた在日朝鮮人2世で、政治的、そして家庭の事情によって無国籍者として過ごしたのです。彼の境遇を理解するようになって、私にとって国籍や人種は一番大切なアイデンティティーではない事に気づいたのです。自分とは、そして人間とは何かを考えていく事の大切さを知るきっかけとなりました。平等でない不条理な人間社会の問題を深く考えるようになり、それが制作活動への大変重要な原動力ともなっていきました。
私の初めての個展は1986年ブラッセルでのドローイング展でした。とても好評だったのですが、その後どのように発展させていけばいいのかわからなくなり、行き詰まってしまいました。それでも常に日記をつけるようにスケッチブックに絵を描くことは続けていましたが、次第にドローイングを発表することを止めてしまいました。
ドローイングの代わりに、オブジェやインスタレーションなど実験するうちに、写真にたどり着いたのです。特にレンズを通して見える人形をクローズアップで撮る事に魅入られました。このようにアナログ写真作品の制作を20年ほどしていましたが、デジタル写真の波が押し寄せてくると、写真を焼き付けすることが困難になったり、その他様々な理由から、少しずつ写真を媒体にした作品を制作することから遠ざかる事になっていきました。
そして再度ドローイングの作品制作に専念することにしたのです。今度は私の写真の経験と感性を用いることによって。例えば、今回の展示作品の多くは写真を下地に制作したものです。写真を参考にして自由自在に想像を膨らませ、私独自の世界を表現しました。
いろいろなメデイアで制作してきましたが、根底にあるのは<境界>というテーマです。私にとって境界とは、物事を単純に分けてしまう線ではなく、多くの現代の論争上の問題に広く及ぶ、曖昧な領域を意味します。生きている人間(生)と 人形(死)の間にある世界を観察する事によって、その中にチラチラと見え隠れする、愛憎、期待、別離、従属、支配そして所有欲などの様々な人間模様を絵図の中に織り込んでみました。
<疑問符の森>の中でさまよいながら、人間はどこへ行くのか、問い続けていきます。

スケジュール

2017年9月22日(金)〜2017年10月22日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日、火曜日、水曜日
備考
月曜日・火曜日・水曜日は休館

オープニングパーティー 2017年9月22日(金) 18:00 から 20:00 まで

入場無料、作家が在廊いたします。

入場料無料
会場Gallery OUT of PLACE TOKIO
http://outofplace.jp
住所〒101-0021 東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 207号室
アクセス東京メトロ銀座線末広町駅4番出口より徒歩3分、東京メトロ千代田線湯島駅6番出口より徒歩3分、JR秋葉原駅電気街口より徒歩11分
電話番号03-6803-0248
関連画像

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