この度 KAYOKOYUKI では、昨年の個展以来 1 年振り、2 回目となる、ペインター西村有(にしむら・ゆう)の個展「portrait」を開催いたします。この「portrait」というタイトルは《head of a girl》のような肖像画のみを示す言葉ではありません。森の中を歩く人物、梢でさえずる鳥や芝生の上に寝そべる犬などの動物、走り去る車、さらにはそれらを取り巻く茂みや草原や浜辺、道路といった風景自体をも含んでいます。「顔をいつもより大きな画面にアップで描いたとき、瞳や髪の毛を描くテンションと、車のタイヤ、生い茂る草木を描くテンションが自分の中で一致しました。」この言葉には、絵画として存在させるために、どんなモチーフに対しても、それに付随して現れてくる肖像的なイメージを捉えようとする西村の態度が現れています。(初日のみ、大型の新作絵画を中心に、隣接する駒込倉庫でも特別展示いたします。)