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中村亮一 + 平川恒太 「匿名の肖像」

Gallery t / TOHO BEADS STYLE
終了しました

アーティスト

中村亮一、平川恒太
本展では、二人の画家が、歴史や国家、人種、宗教を、人間の姿へと映し出した作品群を発表いたします。近年、肖像という共通のテーマを主題に取り組んでいる両作家が描き出す作品からは、時代に翻弄される今の我々の姿を想起させます。本展は、私たちの取り巻く世界、国家、歴史の中での個人とは何か、また、個人の中におけるそれらとは何かを問いかけるでしょう。
中村亮一は、ポーラ美術振興財団の若手芸術家在外研修助成により、アメリカに滞在し(2015-16)、アメリカに於ける20世紀戦前から戦後の日本人移民、日系アメリカ人が受けた激しい人種差別、排日の為の法の制定と強制収容、アメリカ合衆国に対する忠誠登録の質問No.27と28に関心を抱きました。中村は、それらが彼らのアイデンティティに与えた影響を考察し、残された彼らの写真をもとに肖像画として描き出しています。しかし、描かれた肖像は写真の原形を留めておらず、不鮮明で個人を判別するのが困難であり、アイデンティティの揺らぎを彷彿とさせています。
一方、平川恒太は1年半の間、108つの電波時計の上に黒い絵の具のみを用い、福島第一原子力発電所事故の作業員の肖像を描いた作品《Black color timer》を制作してきました。本作品に描かれる作業員の顔は防護服により個人を特定することが困難な上に、黒のみで描かれているため近づかなければ何が描かれているのか認識できません。また、時計の秒針の音は、作業員一人ひとりの心音や原発作業のタイムリミットを暗示しているようです。関東の電波時計の標準電波は、福島県双葉郡川内村の大鷹鳥谷山の山頂付近にある、おおたかどや山標準電波送信所から送信されており(2012年4月1日まで警戒区域に指定されていた)、福島の今を想像させます。

スケジュール

2017年8月11日(金)〜2017年8月26日(土)

開館情報

時間
10:0018:00
休館日
土曜日、日曜日、祝日
展示替期間は休館

オープニングパーティー 2017年8月12日(土) 18:00 から 20:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttp://www.toho-beads.co.jp/tbs/galleryt/galleryt058.html
会場Gallery t / TOHO BEADS STYLE
http://www.toho-beads.co.jp/tbs/index.html
住所〒111-0052 東京都台東区柳橋1-9-11
アクセス都営浅草線浅草橋駅A1出口より徒歩3分、JR総武線浅草橋駅東口より徒歩5分
電話番号03-3862-8549
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