中岡真珠美 「Building Blocks」

アートフロントギャラリー

poster for 中岡真珠美 「Building Blocks」
[画像: 中岡真珠美"Building Blocks-blueyellowintersection (detail)" (2017) 156 x 197cm, acrylic on fabric]

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アートフロントギャラリーでは2年ぶりの個展となる本展では、2015年の10月から1年間、タイのチェンマイ大学で特別講師としての滞在を経て制作された未発表の作品を中心に展示します。
中岡真珠美のこれまでの作品は、身の回りの風景を撮った写真をもとに、樹脂系塗料などの様々なメディウムを用いることにより、輪郭が白く浮き上がり、またその余白の間に滲む色彩が抽象と具象とを往来する世界観を表してきました。一方で中岡のタイでの滞在制作では、完成の到達点を決めずに、これまでの技法に捉われない様々な実験的な試みが行なわれました。例えば滞在中の変化を感じさせる要素として、作品の支持体に現地で手に入れたバケツやテキスタイルなど、既製品を用いたことがあげられます。これは現地の空気感をリアルに感じることのできる物質性として捉えることができますが、現地で中岡が特に感銘を受けたのは、「解体現場」を見つめる中で感じた、タイ人の効率を度外視した「生産のあり方」であったといいます。
「チェンマイで住んでいたコンドミニアムの近くに、長い時間をかけて壊している建物がありました。[…]10ヶ月以上そんな状態が続いたある日、新品の窓ガラス板が運び込まれました。彼らは取り壊していたのでなく、リフォームしていたのです。私はいろいろな意味で、とても驚きました。必要なところまで解体し、再生する。彼らの辿っているのは確実に最短コースではありませんでした。効率は重要視せず、完成を目指す。これは日本ではありえないことです。その生産のあり方に私はとても面白みを感じ、刺激を受けました。」
この非効率さと引き換えにダイレクトにモノを解体し再生させる在り様は、写真からイメージを一旦アウトラインに解体し、鮮やかな色彩や様々な素材を用いて視覚的な美を再構築するプロセスを経て制作してきた中岡にとっては、非常に近い価値観であったのではないかと想像できます。現地では材料の制約が多い一方で、「絵筆一つでなんでも造れるような」身軽さも感じ、「いま、ここ」でしか描くことのできないような「現場感」がありました。従来の写真撮影に基づく制作の代わりに、より原始的なデューラーグラスを用いてスケッチする手法を取り入れました。今回出品される作品の一つは、この一見非効率な手法でスケッチされた「解体現場」の光景がテキスタイルにトレースされます。テキスタイルの抽象的なパターンの上に具象的なパースのついた輪郭のペイントが乗ったとき、我々の目にはどのように映るのでしょうか。具象と抽象、遠近と平面表現、輪郭と奥行きが融合し共存する中岡の国外での滞在を経た新作を、是非ご高覧ください。

メディア

スケジュール

2017年03月10日 ~ 2017年04月02日

アーティスト

中岡真珠美

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