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「巧術7.5」展

ラディウムーレントゲンヴェルケ
終了しました

アーティスト

悠、平林貴宏、石黒昭、石黒賢一郎、石野平四郎
昨年金沢で開催された「其之柒 駿傑」で7回目となった「巧術」というグループ展。2010年の第1回目のステートメントに書かれた基本概念には、西欧的美術観に対する”日本らしい美術”の在り方として、エキゾチシズムに頼らない「技巧」というテーゼ(These:運動の基本的な方向・形態などを定めた方針・綱領)が語られていた。以降、各出展作家が毎回見せてくれる作品には、制作のなかで発揮される秀逸なる技巧だけでなく、その先にある独自の表現の有り様が余すところなく示されてきた。つまり、技巧が最終目的ではなく、作品として表象されるための手段として必要欠くべかざるものであることも併せて伝えてきたのである。
そして回数を重ねるなかで、もはや「日本的である/ない」「工芸的である/ない」という議論を通り越し、次に何を見せてくれるのかという、「表現」への期待感がますます大きくなってきていることを感じるものである。昨年、ハワイ大学マノア校アートギャラリー及びホノルル美術館日本ギャラリーで開催された展覧会「今様」展の企画・監修をされた、同校日本美術史准教授のジョン・ショスタック氏のステートメントに、その回答ともいえる内容が記されていた。
「画材の素材的な限界と作家たちが格闘し、問題を解決しようと努力することを通して発展し生まれる、他には代えがたい確かな特徴的な効果というものがある」。氏がここで指摘する「画材」は必ずしも伝統的なものではない。そして「このような素材や手法による技巧的な取り組みは“新たなる伝統主義者”の作家たちに、過去に発展した戦略とともあわせてさらなる実験的な試みをさせ、素材に特化した現代の視覚表現形式をつくりげる可能性をはぐくませている」と語る。つまり「巧術」は、これら“実験的な試み”が、日本発信でありながら“日本的”という枠組みを超えて、ひとつの様式をつくっていく可能性があるということを示唆している。今年、馬喰町ラディウムで開催される「巧術 7.5」は、あらためてこうした点を確認する契機として、またそれは、artの語源、ラテン語のars(アルス)が本来もっていた「技術」「資格」「才能」という意味に立ち返る時宜を得ることになろうことを期待するものである。

スケジュール

2017年6月2日(金)〜2017年6月27日(火)

開館情報

時間
12:0018:00
休館日
水曜日、木曜日
備考
開館時間: 6月12日(月)〜19日(月)、水・木曜日は休館

オープニングパーティー 2017年6月2日(金) 19:00 から 00:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttp://roentgenwerke.com/wp/巧術7-5koh-jutsu-chapter-7-5%E3%80%80開催のおしらせ/
会場ラディウムーレントゲンヴェルケ
住所〒103-0002 東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17
アクセスJR馬喰町駅より徒歩4分、JR・都営浅草線浅草橋駅より徒歩4分
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