「収蔵品展059 静かなひとびと」

東京オペラシティ アートギャラリー

poster for 「収蔵品展059  静かなひとびと」
[画像: 五味文彦「白い器のある静物」 (2000) 油彩,キャンバス 53.0 x 45.5 cm photo: 斉藤新]

このイベントは終了しました。

収集家の寺田小太郎氏は、永年造園の仕事に携わってきました。オペラシティ街区の植栽についても、およそ20年にわたり監修を手がけています。寺田氏の樹木に対する考え方は独特で、むやみに枝をつめ、かたちづくるようなやり方とは対極にあります。つまり木の健康状態に合わせて剪定の度合いを決め、木がどう伸びていきたいのか、木の命の深いところにまで降りていってその声を聞くといった具合なのです。たとえ葉に虫がついて弱ろうとも、その木に与えられた運命だからと極力農薬は使いません。自然にまかせ、命のゆくえを見守るのです。桂、ミモザアカシヤ、花梨、山桃、スモークツリー、夾竹桃、栃の木、フェイジョア、酔芙蓉、ナンキンハゼ ── 日本で馴染み深い木や、アジアや南米やヨーロッパ原産の珍しい植物が混然となって、それぞれのテリトリーを拡大していきます。うまく場所を得られればそこで花を咲かせ、実を結び、あるときは淘汰されて、この20年ものあいだに他のオフィスビルにはみられないような、特徴ある景観をかたちづくってきました。この都心の一角の庭には、樹木とともに歩んできた一人の人間の思想が反映されているといってよいでしょう。自然とは、私たちが向きあう対象なのではなく、私たちがその一部として生かされている全体である。寺田氏は、そのことを理屈ではなく自らの体験をもって心身に刻んできたのです。そして氏が永年自身に向けて発してきたという問い「人はなぜ生きるのか」── は、木々や生きものや、目に見えない生命の循環を意識するとともに深まり、研ぎ澄まされてきたに違いありません。「静かなひと」とは寺田小太郎氏その人であり、本展で取り上げられる作家一人ひとりのことなのです。

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スケジュール

2017年07月08日 ~ 2017年09月03日

アーティスト

五味文彦長谷川潔奥山民枝河原朝生

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