「TANBA ー10人の作家による茶陶展 Ⅱ」

柿傳ギャラリー

poster for 「TANBA ー10人の作家による茶陶展 Ⅱ」

このイベントは終了しました。

丹波焼は、平安時代末期に誕生した日本を代表する古窯のひとつです。800年間、途絶えることなくやきものを焼き続けてきました。中世には鮮緑色の自然釉の掛かった焼締陶を、近世にはさまざまな装飾技法や釉薬を駆使したやきものが作られました。昨年、丹波を含む六古窯(瀬戸・常滑・信楽・備前・越前)が日本文化遺産に認定されました。その理由は、六古窯(焼締陶)が、もっとも日本らしいやきものだからです。中世の丹波焼は、技術的には常滑や信楽の影響を受けますが、素材である土や窯が異なるので、丹波独自の光沢のある鮮緑色のやきものが誕生しました。すなわち、丹波焼とは、丹波の風土性、地域性を持ったやきものと定義することができます。丹波の自然と、作家の内なる自然(感性)が共鳴し、ひとつの相を成したときに丹波の形が生まれます。やきものの創造には、そうした内発的発展が不可欠です。しかし、この論理は全ての丹波焼の作家にあてはまるわけではありません。市野信水氏は丹波焼の茶陶の第一人者です。「破れ花器」のような造形的な作品を、以前から創作していました。この作品は造形だけでなく、緋色や焦げなど焼味が魅力的です。市野雅彦氏の「丹波赤ドベ弁天埦」は、丹波の弁天の陶土にこだわった作品です。赤ドベ特有の赤みのある土肌に黒胡麻のような不純物が噴出し、赤と黒の自然な模様を生み出しています。今西公彦氏の「黒丹波茶盌」は、山土をベースに素地を作り、その上に黒い塗り土をし、登り窯で焼成したものです。丹波の土と登り窯から生まれた黒丹波の茶盌です。大上伊代氏の「唐獅子茶盌」は、自分の作風である造形的、装飾的な部分と用としての茶碗がうまく融合した作品です。高台の代わりに付けられた4本の足がとてもリアルです。大西雅文氏の「丹波花入」は、昔の陶工がどんな想いで土に触り、窯を焼き続けていたのかを自問自答しながら、丹波の土の生き生きとした力強さを表現しています。加古勝己氏の「丹波茶碗」は、丹波の土と信楽の土による灰釉茶碗です。表と裏ではかなり灰被りの状態が違います。端正な形の中にも、加古氏のこれまでの蓄積が感じられます。清水一二氏の「白釉盌」は、敢えて丹波の土ではなく、ざらっとした肌合いの粘土を使い、手捻りと削りで九角形に仕上げています。黒釉と白釉の大胆な模様が魅力的です。清水剛氏は、本年の現代茶陶展、美濃茶盌展に入賞の注目の作家です。今回の「塩窯水指」は、施釉陶が隆盛を極めた丹波の江戸期に思いを馳せ、自作へと昇華させた作品です。仲岡信人氏の黒釉の「花生」は、割山椒(わりさんしょ)の向付を大きくした形の大胆な花生です。実際に花を活けたら、どんな表情を見せてくれるのか、とても気になる作品です。ピーター・ハーモン氏の「青白磁虫食い葉水指」は、青白磁による清々しい水指です。胴の三面に彫られた「虫食い葉」の模様は、彼なりの侘びを表現して遊び心を感じます。この機会に十人十色、丹波の今をお楽しみ下さい。
[関連イベント]
特別記念茶会「TANBA」
日時: 6月7日(木) 10:00、11:00、13:00席入の三席
席主: 出品作家
会場: 新宿 京懐石 柿傳(東京都新宿区新宿3-37-11 安与ビル)薄茶席「残月(9階)」、点心席「古今サロン(6階)」、受付・寄付「安与ホール(7階)」
参加費: 5,000円(税込)
*詳細は公式ホームページよりご確認ください。

メディア

スケジュール

2018年06月05日 ~ 2018年06月11日

Facebook

Reviews

All content on this site is © their respective owner(s).
Tokyo Art Beat (2004 - 2019) - About - Contact - Privacy - Terms of Use