終了した展覧会・イベントです
[画像: アドリアナ・ミノリーティ Queer Deco 2018, inkjet print on canvas, 140 x 100 cm]

「Science Window」

KAYOKOYUKI
終了しました

アーティスト

アドリアナ・ミノリーティ、イエン・ホ、大田黒衣美
Scienceという単語は、自然科学、技術、知識など、様々な意味を内包しています。日本語では一般に「科学」と訳されますが、Scienceの語源がラテン語の「知る」であることからわかるように、本来は知識そのものを指すものでした。古代においては科学と哲学の区別はなく、人間は世界の起源、宇宙の真理を知ることを希求しました。人類が世界で起こる様々な現象について「なぜ?」と疑問を持った瞬間にScienceは始まりました。そして、科学はその発展に伴い人類の疑問に応じ続けてきました。しかし、科学が発展を極めた現在においても、我々は相変わらず「なぜ?」と感じ続けています。我々の先祖は説明のできない事象を神話や民話などの物語によって納得しようとしてきました。古代ギリシアにおいて神話から独立した哲学/科学は、長い時を経て分離していき、17世紀以降、著しい発展をとげた科学によって我々は様々な事象をより正確に理解することが可能になりました。その結果、我々の生きる世界は果たして明快になったといえるのでしょうか?科学的理解に伴い物語を失った世界はカオスの中へと逆戻りし、より一層複雑なものへと変貌していったのかもしれません。アドリアナ・ミノリーティ、イエン・ホ、大田黒衣美という3人のアーティストは、生まれた国も育った文化も、思考する言語も異なりますが、彼女たちはそれぞれ、自分自身について、自分と世界との関係について「なぜ?」と問いかけ続けます。アドリアナ・ミノリーティは幾何学的表現を媒体として、ジェンダーに関する固定観念を暴露することを目指し、何がノーマルなのか?といった基準や規範に対して疑問を投じています。イエン・ホ、大田黒衣美は、拾った石やカーペットなどの布、ガムといった、その場所にのみ存在するモノや身近にあるモノを素材として選択し、その作品を通して、自分と世界との関係を探求し物語を紡ぎ出していきます。本展覧会のタイトル”Science Window”は「理科の窓」という日本の俗語から引用したものです。この言葉は、男性のズボンのファスナーが開いていることを暗示するための「社会の窓」に対し、女性に使われたものです。(あまり流行りませんでしたが…。) 我々は、ズボンやスカートのファスナーをしっかりと閉めておくことで、社会に対して私的な領域を隠して生活しています。しかし、偶然にもその窓が開いたままになっているとき、あるいは故意に窓を開けたままにしておくとき、思考や感情、欲望といった私的な働きは、社会に対して暴露され、公開されてしまうのです。本展覧会において、アドリアナ・ミノリーティ、イエン・ホ、大田黒衣美の3人の女性アーティストは、「窓」を開けたままにしておくことを約束しています。彼女たちの私的な領域が社会の現実的な層に重なることによって、この展覧会が実現し、我々にとって刺激的なものとなっているのです。

スケジュール

2018年5月11日(金)〜2018年6月17日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
日曜日は17:00まで
休館日
月曜日、火曜日、祝日

オープニングパーティー 2018年5月11日(金) 18:00 から 20:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttp://www.kayokoyuki.com/jp/180511.php
会場KAYOKOYUKI
http://www.kayokoyuki.com/
住所〒170-0003 東京都豊島区駒込2-14-2
アクセスJR山手線駒込駅東口より徒歩2分、東京メトロ南北線駒込駅4番出口より徒歩2分
電話番号03-6873-6306
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