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「ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校 第3期 裏成果展 『怪獣の時代』」
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「ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校 第3期 裏成果展 『怪獣の時代』」
ゲンロン五反田アトリエ
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アーティスト
辻野理恵、友杉宣大、田辺結佳、中村紗千、長谷川祐輔+中川翔太、こまんべ
この展覧会は「新芸術校第3期グループ展選抜競争システム」から落選した作家たちによる「落選展」だ。落選展である以上、作品のテーマが統一されていないことはやむを得ない。しかし、僕自身が「落選したキュレーター」として、この展覧会にひとつの視点を与えてみたい。
例えば、「怪獣」を全体のテーマに据えた時、見えてくるものがある。まず、中村は、自分の描いている怪獣というモチーフを「近づくことのできない距離」と表現する。これは、当事者的なモチーフを採用した作品に対する作家自身の違和感の表れでもある。一方、猫と星の合体した「スターニャン」という怪獣的なキャラクターを描く友杉は「僕自身が猫なんですよねぇ」といった発言をする。怪獣を距離として表現する中村と怪獣を自らとして表現する友杉。2人の言葉は対照的に見えるが、世界のリアリティを怪獣という虚構のモチーフを通して表現しようとする点において、両者の姿勢は一貫している。
また、そのような意味においては、辻野と田辺の作品も怪獣的であると言える。辻野は、日付入りの過去の写真とネット素材のコラージュによって「舎利浜」という自らの過去に関わる風景を立ち上げようとする。田辺は、自らの故郷である熊本の復興に熱海の火災からの復興を重ねながら、故郷における人工的なものに向き合おうとする。どちらの作品も、ある虚構的な物語が挿入されていて、現実は再構成されている。時間軸を超越し、過去から現在に召喚された両作品の様相は、怪獣のように「どこか別の場所」からやってきた風景のようにも見えるだろう。
そして、残る2人は、現実と虚構の中間にある怪獣的なものの存在をメタ的な視点から捉えようとしている。中川は、役者の生の身体と虚構的な役柄の間の同期不可能性というフレームを引き受けた映像作品を制作し、こまんべは、ネットにおけるオブジェクトの感覚の喪失が現実にも浸透しているという問題意識の元、ハーフミラーをインターフェイスに見立てた作品を制作する。それらは、現実と虚構の条件、つまり、怪獣の成立する条件それ自体についての問いになっている。
現実と虚構の「中間休止」による暗い現実の肯定。それは、世界の混沌に自らのリアリティが宙吊りにされながらも「虚」と「実」を軸として全体の調和を保とうとする態度なのかもしれない。そして、この展覧会は、暗い時代におけるそうした意志たちによって開かれている。(キュレーター・長谷川祐輔)
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スケジュール
2018年3月3日(土)〜2018年3月5日(月)
開館情報
休館日
イベントにより異なる
備考
開館時間: 13:00〜20:00、3月4日13:30〜15:30は講評会のため入場不可
入場料
無料
展覧会URL
http://3rdparty.jp/ura/
会場
ゲンロン五反田アトリエ
http://school.genron.co.jp/gcls/
住所
〒141-0022 東京都品川区東五反田3-17-4 糟谷ビル2F
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アクセス
都営浅草線五反田駅A6出口より徒歩4分、JR山手線・東急池上線五反田駅東口より徒歩7分
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