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「スティップル・エングレーヴィングとメゾチント」展

町田市立国際版画美術館
終了しました
美術作品の複製図版は現在では写真が使われるのが一般的ですが、かつては版画によって制作されていました。今回ご紹介するふたつの銅版画技法は、明暗の調子(トーン)や立体感が表現でき、油彩画などの複製技術として発明されたものです。いずれも写真の登場によって一時はすたれてしまいますが、独自の表現をもつ技法としてふたたび取上げられ、現在にいたっています。
メゾチントは17世紀中頃にドイツで発明された技法です。ベルソ(ロッカー)という道具でまず版全体に細かい傷をつけ、全面にまくれを作ります。この版を刷ると、全面がビロードのような質感を持った黒に刷り上がります。次に、スクレイパーなどでまくれを部分的にとりのぞき、みがくことで、さまざまな段階の明暗の調子(グラデーション)を作りだし図像を描きます。黒一色の画面に光で描いていくようなイメージが思い浮かぶのではないでしょうか。ドイツからイギリスに伝えられると、肖像画など油彩画を版画化する技法として急速に広がりました。
スティップル・エングレーヴィングは18世紀中頃にイギリスで発展した技法です。「スティップル」とは「点描法」のことで、針やルーレット、マトワールといった道具を用いて版面に細かな点を打ち、その粗密で明暗や立体感を表現します。「エングレーヴィング」という、金属の版を刃物で直接刻む技法の名がつけられていますが、酸による腐蝕を利用した手法が広く用いられていたようです。輪郭線はエッチングやエングレーヴィングの線で描き、部分的に用いられることも多い技法です。
今回の展示では、主に複製技術として用いられた17-19世紀のヨーロッパの作例と、版画表現として新たな視点でとりあげた現代の日本の版画家たちの作品をご紹介します。

スケジュール

2018年1月5日(金)〜2018年4月8日(日)

開館情報

時間
10:0017:00
土曜日・日曜日・祝日は17:30まで
休館日
月曜日
月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館
年末年始休館
入場料無料
展覧会URLhttp://hanga-museum.jp/exhibition/index/2018-345
会場町田市立国際版画美術館
http://hanga-museum.jp/
住所〒194-0013 東京都町田市原町田4-28-1
アクセスJR横浜線町田駅ターミナル口より徒歩12分、小田急線町田駅東口より徒歩15分、小田急線町田駅西口より神奈川中央交通バス「高ヶ坂センター前」より徒歩7分
電話番号042-726-2771
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