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新山発現 「incident」

サードディストリクトギャラリー
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アーティスト

新山発現
「写真から根拠や意味を無くす事はどれだけ可能なのか」。これを根拠に新山発現は独特の言いまわしで「写真=羊羮」説を唱える。「写真は四角いフレームに枠どられ、ある瞬間を切り取った断面であり、丁度それは羊羮のようなものだろう。四角いし。ある現実を切り取った断面としてのフレーム=写真が現れるが、仮に切らなかったとしよう。そこには断面の無い棒羊羮がひたすら続いていく状態である。それを想像しおののいた。つまり仮に何枚かの写真=羊羮の断面の背後には潜在的に始まりも終わりもなく棒羊羮が産出されており写真=断面を見た時のみにしかそれを垣間見る事しかできないのである。しかし、そんなことに人は果たして耐えられるのだろうか?いや耐えられない。とある写真家がこんなことを言っていた。「最新の説によれば、宇宙には時間という概念は無く、ひたすら空間だけがビッシリ詰まっている。まるで写真だよね。」と。恐ろしい事だと思う。「まるで棒羊羮じゃないか。」絶句した。「エクソシスト」リーガンに「お前は宇宙で死ぬ。」と言われた宇宙飛行士の気分である。宇宙じゃなくても現実そのものでもいいが、羊羮を切り断面を見た時のみ宇宙を垣間見ることができないのだとしたら、羊羮の断面=写真は切り続ける事でしか姿を垣間見せないだろう。しかし本当にそうなのだろうか。試しに写真を撮ってみる。写るかもしれないし写らないかもしれない…根拠も意味も無ければ無いほど良い… 何故なら日常のそこかしこに写真は現れるのを絶えずうかがっているのだから。」かつてビジュアルというものを手にいれたはずの写真。それがまた物語や記号の奴隷として囚われてしまった感もある。SNSで拡散される画像は、国の都合ですり込まれた美意識満載で、それを維持しようとする方々のストレスには、気の毒な思いもあるがそんななか、写真をある純粋な写真へと意識的に帰そうとする新山の仕草は、愛嬌も相まって貴重な仕事である。

スケジュール

2018年6月19日(火)〜2018年7月1日(日)

開館情報

時間
13:0020:00
入場料無料
展覧会URLhttp://www.3rddg.com/exhibition/2018.6.19/niiyama_hatsugen.html
会場サードディストリクトギャラリー
http://www.3rddg.com/
住所〒160-0022 東京都新宿区新宿3-8-9 新宿Qビル 4F
アクセス都営新宿線新宿三丁目駅C5出口すぐ、東京メトロ丸ノ内線新宿三丁目駅B2出口より徒歩3分
電話番号03-5269-5230
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