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「さよならに、塩と胡椒 」展
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「さよならに、塩と胡椒 」展
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アーティスト
黒田翔太、近藤南、杉岡みなみ、高山夏希
わたしたちが様々な場面で口にする「さよなら」は、伝える相手、場所、状況によって多様な意味が込められています。それ らには共通して、「さよなら」を伝えることで他者を不在にし、共有した時間を自身の解釈によって、唯一の「味」を持った記 憶へと変化させていると考えます。そして、その記憶は自らの身体に刻まれ、体験として蓄積されていくでしょう。 一方で、わたしたちの社会は情報化がさらに加速し、クラウドコンピューティングをはじめとして、あらゆる情報は電子化さ れ、情報を保持していた本体ではなくインターネット上に蓄積されるようになりました。言い換えれば、物質から切り離された 情報は、いわばオーラや魂となって、私たちの身体の周りに幽体的な状態で保存されているとも言えるでしょう。その状況は、 スマートフォンやタブレットといった液晶画面を持つ媒体から、いつでも・どこでも情報を呼び出すことができる代わりに、情 報を召喚するために画一化された物質だけを、わたしたちは求めるようになっているのかもしれません。 それに対して美術作品は、作者による様々な記憶が物質に内包されています。作者がこれまでに出会った人やもの、風景、出 来事に告げた「さよなら」が、表現によって濃密な「味」を持った形となり、見る人の中にかつてあったもの、不在のありかを 認識させます。見る人は作品に込められた「味」と自身がかつて体験した同じ「味」を探り、その時に味わった感覚をより強固 なものとして、自身の記憶と身体に刻み込みます。それは、物質に情報を宿す上で、存在意義を見出すための重要な行為なので はないでしょうか。 本展は、記憶の定着を客観的・直接的な記録が難しい「味」と結びつけ、4人の作家がそれぞれの作品に込めた「さよなら」 を、鑑賞者が味わうことで不在だった記憶を呼び起こし、作品固有の体験として再認識することで、現代の幽体化した情報の所 在を明らかにします。それは、情報が膨大になったがゆえに埋没し、均質化してしまった現代にとって、実体性を捉え直す有効 な手段となるでしょう。それぞれの作者が、作品を生み出す時に告げた「さよなら」を、ゆっくりと味わってください。
[関連イベント]
・トークショー「言葉の匙」
日時: 9月22日(土) 17:00〜18:30
出演: 三角みづ紀(詩人)、坂田恭平(本展キュレーター)
内容: 本展タイトルの引用元となった詩の制作者である詩人の三角みづ紀氏をお招きし、味覚と記憶の関係性についてお話しします。
参加費: 無料・予約不要
・絵画と菊地敦子によるパフォーマンス「肌理/under my skin」
日時: 10月6日(土) 16:00〜16:30・18:30〜19:00、7日(日) 16:00〜16:30・18:30〜19:00
参加費: 無料・定員各回50名
絵・構成: 杉岡みなみ
身体: 菊地敦子
演出: 久世孝臣
・アーティスト・トーク「『さよなら』について」
日時: 10月20日(土) 17:00〜18:30
出演: 黒田翔太、近藤南、杉岡みなみ、高山夏希
聞き手: 坂田恭平
参加費: 無料・予約不要
*詳しくは公式ホームページよりご確認ください。
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スケジュール
2018年9月15日(土)〜2018年9月22日(土)
開館情報
時間
12:00 〜 19:00
金曜日・土曜日は20:00まで
休館日
火曜日
入場料
無料
会場
Up & Coming
https://upandcoming.tamabi.ac.jp/
住所
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-42-18
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アクセス
東京メトロ銀座線外苑前駅3番出口より徒歩4分
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