「池田満寿夫 版画展」

ギャラリー石榴 南青山ルーム

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[画像: 池田満寿夫 出を待つ天使 1962年 ドライポイント・ルーレット ed.20 18.6 × 18.6 cm]

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池田満寿夫(1934-1997)の20代後半から30才過ぎまでは、彼が好んで「線」に没頭した時期と言えます。おもに"ドライポイント"と呼ばれる版画技法(※1)を用い、才気走った特有の「線」によって、即興的で無意識的なイメージを次々と生み落とした時代です。しかし、この時期の作品の魅力である落書き的な自由さとはうらはらに、実際の制作過程ではアイデアのメモやデッサンを幾つもさしはさみ、無意識と意識との間の微妙なせめぎあいから作品が生まれています。 そこには制作上の、いわゆる“イメージの降臨”的な事態がフィクションに他ならないこと、加えて作家が自分の手や思考の「くせ」によるパターン化からは簡単には逃れられないことへの問題意識をみてとることができます。 池田の60年代版画とは、無意識と意識の高速的な往還のなかで、そのバランスに宿った稀有な個性だったといって良いのかもしれません。画面にはアルファベットや数字がおどり、人や動物たちが物語らしきシーンを演じています。そこには「線」が本来的に持つ性質、すなわち私たちの文字がそもそも線から成り立っている様に、 線なるものが「意味」や「物語」の領域に触手を伸ばし、有機的に遊びはじめる性質をこの作家がよくよく心得え、まるで我が意を得たりとそれらを差し出しているかのようです。即興性と物語性。一見するとあい反するこの両極を行ったり来たりしながら、豊かなイメージの群れを量産した時代。 ギャラリー石榴での4回目の池田展となる本展では、およそ20点を通しその作品世界を展覧します。それらは「日本の版画史」というより、1960年代前半の戦後と呼ばれる時代にあって、そのダイナミックなうねりを背景に、同時多発したきらめく事象のひとつといえます。 この日本の青年作家が至った固有の高みは、あらためてその現代性を認識し直される時をいま静かに待っています。池田満寿夫の「線」。気がつくと、そで口にまとわりついていた糸くずのごとく、いつまでもからみついてくるような線と、赤・青・黄の3色を基調に展開する、洒脱で饒舌な世界をこの機会にぜひご高覧ください。

メディア

スケジュール

2018年10月19日 ~ 2018年10月27日
開場時間 11:00〜19:00、23日は休館

アーティスト

池田満寿夫

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