終了した展覧会・イベントです
[画像: 奥井美奈 「燦」、乾漆水指、径23.5×高さ13㎝]

「かたち 五華繚乱 -素材と世代を超えて-」展

セイコーハウス銀座ホール
終了しました

アーティスト

家出隆浩、奥井美奈、小島有香子、藤塚松星、渡辺晃男
日本の伝統工芸は、戦後に数多の工芸家を輩出し伝統の技を高度に継承、発展させて今日に至っています。その芸術は円熟期を経ているのでしょうが、今日、国際的に評価される新たな時代を迎えて、中堅あるいは新世代の台頭が待たれているように思います。
本展に集う5人は、異なる素材分野ですが、いずれも近年の日本伝統工芸展で優秀賞受賞を成し遂げた作家たちです。家出隆浩氏は、異なる金属の平ヒゴで網代編みし鍛造する独自の「あやおりがね」という手法で軽妙で美しい創作を表して活躍するほか、平織を組み合わせて立体的に構成した造形も含めて、海外でも注目されています。奥井美奈さんは、柔和な乾漆形体に堅実な漆塗りと蒔絵の装飾をほどこした制作で近年の活躍があり、自らの造形を生み出そうとしています。小島有香子さんは、板ガラスを何枚も接着し削り研磨する造形を手がけています。光が透過して生じる層の濃淡や陰影が形体と結びついた独特な表現です。まさに気鋭の作家として台頭し、自らの感性に従い個性的な創作をかたちづくろうとしています。
彼らに比して中堅という以上の藤塚松星氏は、網代編みや鳳尾竹の丸竹の力強い制作に加え、黒や紫、褐色に染めたヒゴを櫛目に連ね面的に構成する彩変化という籃の制作で注目されています。近年は透かしと染め分けたヒゴを編み込む広やかな籃に清冽な作風を表しています。また渡辺晃男氏は、黒柿や神代欅、楓などの美麗な材を駆使した指物を主に、異色の材を寄木し錫や貝、染角等を象嵌する浪漫的な制作で定評を得ています。
彼らは、素材や手法の再認識を経て創作表現として個性を開拓するに至っており、清新な造形を導き出しています。将来を担うであろう彼らへの期待は高まるばかりなのです。(東京国立近代美術館 特任研究員 諸山正則)

[関連イベント]
ギャラリートーク
日時: 2月24日(土) 14:00~
出演: 出品作家5名、諸山正則(東京国立近代美術館特任研究員)

スケジュール

2018年2月23日(金)〜2018年3月4日(日)

開館情報

時間
11:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
年末年始休館
入場料無料
展覧会URLhttps://www.wako.co.jp/exhibitions/573
会場セイコーハウス銀座ホール
https://www.wako.co.jp/exhibitions/
住所〒104-8105 東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス銀座6F
アクセス東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅B1出口直結、東京メトロ有楽町線銀座一丁目8番出口より徒歩4分
電話番号03-3562-2111
関連画像

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