河合里佳 「光の重さ - フォトスキアグラフィア - 」

nap gallery

poster for 河合里佳 「光の重さ - フォトスキアグラフィア - 」

このイベントは終了しました。

媒介の透明性をめぐって
河合は、透明な描画材・支持体に光を与えることで、光と影が共存し相互作用することを表現に取り入れ、自身それをフォトスキアグラフィア(photo (光) 、skia (影)、grafia (絵))という造語で命名しています。質量は持つが光学的に直接観測できない天文学的現象である、いわゆるダームマターの存在が示され、必ずしも視覚的に確認出来るものだけで世界が構成されていないことが判明しました。こうした成果も射程に入れつつ、不可視領域の世界をどう可視化するかが河合のテーマとなっています。2003年以来使用しているレジン(エポキシ樹脂)を、2011年に発表した自画像では、透明のレジンで水滴を表し、窓ガラスに付着する雨滴の形相を浮かび上らせ、それに光をあて、レジンのレンズ効果で壁面に光と影の両方の影を落としていくという作品を発表しています。
こうした河合の表現のプロセスは、戦地に赴く恋人の影の輪郭をなぞることで絵画の誕生とした大プリニウスの「博物誌」(第35巻)を想起させます。影を描く、つまり河合の造語にもあるスキアグラフェーは、同時に影を定着させる技法=カロタイプ(写真)にも繋がります。河合が求めようとしているのは、レジンという透明性のあるメディウムによって、それでもそこから影が生じるという事態が、対象がそのまま伝えられるのでなく幾つかの要件.メディウムの厚さ、メディウムの透過性等.によって変容を来すことを示すことにあるように思われます。ここでは、事実上予見としての可視的イメージは担保されず、想定外の不可視領域からの変容したイメージの生成を経験することになります。
天野太郎(横浜市民ギャラリーあざみ野 主席学芸員)

メディア

スケジュール

2018年01月31日 ~ 2018年02月24日

アーティスト

河合里佳

Facebook

Reviews

All content on this site is © their respective owner(s).
Tokyo Art Beat (2004 - 2018) - About - Contact - Privacy - Terms of Use