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[画像: 栗林隆 バスク地方の海にて / 2012 / 撮影:志津野雷]

栗林隆 「出部屋」

アートフロントギャラリー
終了しました

アーティスト

栗林隆
栗林隆(1968年、長崎生まれ)は武蔵野美術大学造形学部日本画科を卒業後、渡独。10年以上をドイツで過ごし、アーティストとしての足場を固めた。日本へ戻ると数年のうちにインドネシアへ渡り、現在はジョグジャカルタをベースに、日本をはじめ世界各地で活動している。栗林は、東西に分かれていた歴史をもつドイツ滞在の影響もあり、「境界」をテーマに様々なメディアを使いながら制作を続けている。国境や水平線などの物理的な「境界」だけでなく、われわれの頭の中にある既成概念にしばられた見えない「境界」など、様々な視点から物事の異なる側面を喚起させ、提示する。その作品は、普段見えるものと、その裏側の見えない領域とを入れ替え、日常生活では覆い隠されてしまっている出来事・領域・思考・歴史・視点を顕在化させるかのようでもある。2015年のアートフロントギャラリーでの展示では、「Deadline」と題し、代官山に津波がきたと想定した場合に、津波が残すマーキングラインを長崎、広島の爆心地の土、福島第一原子力発電所近郊の津波の被害を受けた場所の土で描いた。東日本大震災の際に、避難区域の線が引かれるという、未だかつてない強力な「境界」が生まれたとして、現地のリサーチ制作を継続している。その実践として昨年は福島県で開催された清山飯坂温泉芸術祭にも参加した。また、2018年フランスのPALAIS DE TOKYOで開催された展示では、7,000枚以上のマジックミラーで作られた6mの高く聳え立つ3本の木のインスタレーション作品《The connection between the sea and the sky》を発表。筒状の木の中に入り見上げると、水中から見上げた福島・逗子・インドネシアの空の写真がそれぞれに見える。地域の「境界」、水と空の「境界」入口と出口の「境界」など様々な「境界」を感じさせる作品であった。栗林は作品制作において「常に対比性を考えている」と語っている。美しさと危険、現実と非現実の世界観、それらの対比がうみだす「境界」。栗林が見出した対比性によって浮かび上がる「境界」で再定義された世界を見たとき、私たち鑑賞者は固定概念を覆させられ、新たな気付きに導かれるのかもしれない。栗林はこの秋、瀬戸内国際芸術祭への参加が決まっている。展示の舞台は、伊吹島にある「出部屋(でべや)」と呼ばれる産院跡地。島の風習で女性が出産前後1ヶ月を女性だけで集団生活していた独自の文化を象徴する場所である。そして島の多くの人々が産まれた場所、お産という命の境界線を象徴するような原点の場所である。その瀬戸内での展示を控えた9月上旬、アートフロントギャラリーでも「出部屋」をテーマに個展を開催する。ここでは、栗林自身のアーティストとしての存在への問い、近年思考を巡らせている心の庭を育む「にわし」としての試みなど、アーティスト・栗林隆にとっての生まれる場所「出部屋」を展開する予定だ。

スケジュール

2019年9月6日(金)〜2019年9月29日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
土曜日・日曜日・祝日は11:00〜17:00
休館日
月曜日、火曜日
夏期・年末年始休館

オープニングパーティー 2019年9月6日(金) 18:00 から 20:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttp://www.artfrontgallery.com/exhibition/archive/2019_07/3880.html
会場アートフロントギャラリー
http://www.artfrontgallery.com/
住所〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町29-18 ヒルサイドテラスA棟
アクセス東急東横線代官山駅より徒歩3分、JR山手線・埼京線恵比寿駅西口より徒歩11分、東京メトロ日比谷線恵比寿駅4番出口より徒歩8分
電話番号03-3476-4869
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