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[画像: Aya Momose Jokanaan, 2019, video still]

百瀬文 「I.C.A.N.S.E.E.Y.O.U」

東葛西1-11-6-A倉庫
終了しました

アーティスト

百瀬文
身体と声の問題を扱う作品で知られる百瀬文は、映像を見るという行為を映像によって問い直し、主体が揺らぐ瞬間や他者との不確かな関係性を露わにするような作品を制作してきた。東京において3年ぶりとなる個展「I.C.A.N.S.E.E.Y.O.U」は、眼差しを通して主体のありかや感情の揺らぎを探る試みである。見る者と見られる者の非対称性、また他者との相互関係における圧倒的なすれ違いといった問題を、眼の動きや視覚言語など身体的動作を通して考察する新作3点を発表する。展覧会タイトルと同名の映像作品《I.C.A.N.S.E.E.Y.O.U》は、 I can see youという文章をモールス信号に変換し、カメラに向かって作家自身がまばたきによってメッセージを送り続けるものだ。鑑賞者は断続的に眼を閉ざす者と否応無く対峙することになる。さらに展覧会の中心となるのは、モーションキャプチャー技術を使用し、踊るダンサーの実写とそこから生成されるCG映像から成る2チャンネルビデオ・インスタレーション《Jokanaan》。オペラ「サロメ」を題材とする本作は、「見られる」ことを欲望し情動的に舞う身体とそれを眼差す視線の交錯を通して、眼差しをめぐる主体の攪乱を試みる。その他、過去の恋人との会話を回想するろう女性を捉えた映像作品を発表。感情の動きに伴って時折一方的に遮断される手話でのやり取りから、意思疎通の歪みから生じる孤独や、他者との間に存在する歯がゆくも絶対的な距離と断絶が露呈される。本展を通して、百瀬は視覚を中心に構築されてきた社会構造や規範に疑問を投げかける。同時にそれは、映像という媒体が不可避に孕む支配構造とリンクする。展示される新作は、カメラに射抜かれる者と同じ地平に立ち、対象との対等な関係を模索する作家なりの応答と言えるだろう。自身の女性という身体とアイデンティティーに向き合い、何気ない日常に潜む社会の歪みと映像における不均衡な力関係とを重ねながら、改めて眼差しの政治性やセクシュアリティの表出に取り組む。

スケジュール

2019年12月7日(土)〜2020年1月18日(土)

開館情報

休館日
イベントにより異なる
備考
開館時間: 14:00〜19:00、月曜日、火曜日、12月30日〜1月4日は休館
入場料無料
展覧会URLhttp://ayamomose.com/icanseeyou/?ja
会場東葛西1-11-6-A倉庫
https://www.instagram.com/efag.css/
住所〒134-0084 東京都江戸川区東葛西1-11-6
アクセス東京メトロ東西線葛西駅中央口より徒歩15分
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