サーニャ・カンタロフスキー 「Paradise」

タカ・イシイギャラリー 東京

poster for サーニャ・カンタロフスキー 「Paradise」
[画像: Sanya Kantarovsky, “Woe to Wit”, 2019, woodblock print on washi paper, 47 x 33 cm © Sanya Kantarovsky]

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タカ・イシイギャラリーは、サーニャ・カンタロフスキーの個展「パラダイス」を開催いたします。本展では絵画作品4点と、アダチ版画研究所の協力を得て制作された4点の木版画作品のほか、1階のビューイング・ルームにて鬱全とした表情を描いた小絵画作品群を展示いたします。本展のため、カンタロフスキーは日光のトレッドソン別邸に1ヶ月滞在し、インクと水彩による素描シリーズを制作しました。今回発表する木版画作品は、このシリーズを基にアダチ版画研究所がその優れた技術により制作した作品です。歌舞伎や能を基にした江戸時代の浮世絵の伝統に倣うように、カンタロフスキーのイメージ群は演劇性に満ちています。歌川国芳ら大家の作品を念頭に置きつつ、服の裾からのぞく裸足や、惨劇を無関心に見つめる海鳥、大人から抑圧的な扱いを受ける子どもといった特定のモチーフを通じ、作家は風刺的で不穏なイメージ作りの伝統を参照します。何度も色版を摺ることで線と色の層を重ねるという極めて繊細な工程を通し、これらの触覚的な主題が紙の上に現れます。個展「パラダイス」にて発表される木版画とペインティング作品は同時期に連続して制作されたため、異なる歴史を辿ってきたこれら二つの表現媒体の差異や特性が明確に対比されます。異なる視覚言語においてイメージがどのように呼び起こされ、またどう組み立てられるのかを理解する糸口を提供するでしょう。版画はイメージが画面に固定され、いわば封印されているのに対し、ペインティングはある種の流動性を内包することから、イメージが画面上で拡張していきます。鑑賞者はその視覚的物語の筋書きをつかめないまま、過去と現在、魅惑と忌避、濃さと薄さといった要素が幾重にも折り重なった夢のような光景に引き込まれます。サーニャ・カンタロフスキーの作家活動は、時に映像作品と組み合わされるペインティングをはじめ、アニメーション、彫刻、デザイン、展覧会企画など多岐にわたります。ペインティングには想像上の人物たちが登場しますが、彼らの多くは心身ともに苦悩しています。画面という舞台の上で鑑賞者の注目をめぐり、誘引と拒絶が絶えず競い合うかのようです。カンタロフスキーは欲望そのものをどのように描き出せるかを探求し、その欲望は、懇願する子どもたちや、いやらしい目つきをした老人、行くあてのない世界人(コスモポリタン)、飢えた群衆の顔を歪めます。ヒューマニストによるペインティングや風刺画の歴史を参照するカンタロフスキーが描く人物は、描かれたことを誇っているようにも見えますが、同時に舞台に上げられたことを恥じているようでもあり、作家自身の制作活動に対する不安や緊張、迷いをも孕んでいます。カンタロフスキーの人間の感情に対する傾斜はこうした皮肉な自己言及において顕著であり、まるで実体験を忠実に表現することの不毛さを説くかのようです。

メディア

スケジュール

2020年01月24日 ~ 2020年02月22日

オープニングパーティー 2020年01月24日18:00 から 20:00 まで

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