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長谷川繁 「PAINTING」

Satoko Oe Contemporary
終了しました

アーティスト

長谷川繁
徳岡神泉(1896-1972)は、「椿」(1922)という作品を残しています(東京都近代美術館蔵)。102.1×86.8cmというさほど大きくない画面いっぱい、はみ出るほどに描かれた椿の木は、どこか不気味な、現実から切り離された様相で、花はただそこに咲き乱れ、生い茂る葉の一部は散り枯れています。本展に出品予定の長谷川の新作の一つに、きゅうりで縁取られたティーポットのようなものが描かれている作品があります。ティーポットは、ティーポットのようであってティーポットではなく(そもそもきゅうりも)、その上に潔い黄色で描かれている柑橘類の果実のようなものは、柑橘類の果実ではないかもしれません。画面を縁どるように塗られたグレーの色面は、布のドレープのようでもあり、丘陵線のようでもあります。長谷川が、「PAINTING」を展覧会タイトルにしたことからもわかるように、ここに展示されている作品はただ「絵画(PAINTING)」であること以外何ものでもなく、それ以上の何かを、と求めることは、邪推も甚だしいのかもしれません。それでも長谷川の絵画に対し、爽快感と、砂利を噛んだような不快感を覚え、腑に落ちないもやもやしたもどかしさがつきまとい、自分が今何を見ているのか、作家はなぜ、これ、を描いたのか、少しでも手蔓を探そうとします。タイトルのない作品からは期待する情報が得られず、また絵の前に立ち返り、振り出しに戻ってしまい、堂々巡りのようです。それはまるで、私たちが長谷川の絵画へ向き合う態度を試されているかのようで、緊張感を覚えずにはいられません。長谷川の絵画から得ようとした何かは、自らの中からしか引き出すことができず、自らの知識量と感受性を認識させられる機会となり愕然とします(あるいは満足する場合も)。長谷川繁は何を描いているのか。長谷川繁はなぜ描くのか。ヨーロッパを拠点に長く活動していた長谷川は、「PAINTING」をどう捉え、何を自身の「PAINTING」と呼ぶのか徹底的に思考し、作品をただ自身の「絵画(PAINTING)」たらしめんとすることへの執着は狂気じみています。本展では、旧作を含め長谷川繁の新作、近作を6点展示致します。長い沈黙を破り9年ぶりの個展となります。皆様のご来廊を心よりお待ち申し上げております

スケジュール

2019年3月23日(土)〜2019年4月27日(土)

開館情報

時間
12:0018:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日

オープニングパーティー 2019年3月23日(土) 18:00 から 20:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttp://satokooe.com/?fbclid=IwAR0dyx4SRD2vCjMr_J67gG-XjjMmbQnvgkugQ4B9E8yIFzbiU_cw9KJfQdU
会場Satoko Oe Contemporary
https://satokooe.com/
住所〒135-0021 東京都江東区白河3-18-8 第二杉田ビル1F
アクセス東京メトロ半蔵門線清澄白河駅B2出口より徒歩4分、都営大江戸線・都営新宿線森下駅A6出口より徒歩13分
電話番号03-5809-9517
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