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サイモン・フジワラ 「The Antoinette Effect」
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サイモン・フジワラ 「The Antoinette Effect」
TARO NASU
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アーティスト
サイモン・フジワラ
サイモン・フジワラが今回の新作展「The Antoinette Effectアントワネット現象」で主題とするのは、「弱肉強食」の世界における人間の「食欲」についてである。人間の活力や野望、好奇心は欲望の翼にのって世界のすべてを咀嚼し消化することをめざす。都市が日に日に拡大し、洗練さを増していく19世紀の近代社会の底にはきわめて独善的な、獣的ともいえる人間の欲望がうごめいていた。それは時代を超えて、今、21世紀の私たちをめぐる社会でもおこりつつある現実ではないのか。多様性の認識と同時並行的にに台頭してきた排他性、物流の加速化、インターネット、SNSの進化は大量消費社会の消費対象を物質から精神・仮想現実へと拡大させた。生きるためには食べなければならないという人間の業は、物理的な食欲と同様に精神的な食欲の領域においても敷衍される。限りなく供給される大量の情報を咀嚼しつづけなければ幸福な状態にとどまることができないという強迫観念、あるいは共同体の一員として認識されないのではないかという怯えが世界を駆り立てている。
2017年、オーストリアのブレンゲンツ美術館(Kunsthaus Bregenz, Austria)で開催されたフジワラの個展「Hope House」はナチス・ドイツのユダヤ人虐殺の犠牲となったアンネ・フランクを軸とする内容であった。アムステルダムのアンネ・フランク博物館(Anne Frank Huis, Amsterdam)を訪れたフジワラは、彼女が家族とともに潜伏生活を強いられた家の紙製模型が、ミュージアム・ショップ内で手軽な土産物として販売され大ヒットしていることを知る。人類の歴史の負の記憶を伝える施設がささやかな資金調達として展開するこの商業主義が、「悲劇」の重みをいともたやすくまさに紙のように軽いものに変えてしまう。この事実に喚起されて制作された一連の作品群は、美術館内でのアンネ・フランクの家の再現という形で巨大なインスタレーション作品として結実し、ブレンゲンツ美術館の過去最大の動員数(当時)を記録した。美術評論家ノーマン・ローゼンタールはこの展覧会を評して「生きることの狂気についての作品である」と述べたという。
今回展示する「The Antoinette Effectアントワネット現象」はこの「Hope House」の続編ともいえる作品であり、激動する社会変化をより広い視野におさめた内容になっている。展示はおもに立体作品で構成され、約10点ほど、すべて新作の発表となる。
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スケジュール
2019年7月13日(土)〜2019年8月10日(土)
開館情報
時間
11:00 〜 19:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
入場料
無料
会場
TARO NASU
http://www.taronasugallery.com/
住所
〒106-0032 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル4F
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アクセス
東京メトロ日比谷線・都営大江戸線六本木駅1b出口より徒歩2分、東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口より徒歩12分、東京メトロ南北線・都営大江戸線麻布十番駅7番出口より徒歩13分
電話番号
03-5786-6900
#彫刻・立体
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