グレン・ライゴン 「In A Year with a Black Moon」

ラットホール・ギャラリー

poster for グレン・ライゴン 「In A Year with a Black Moon」
[画像: Glenn Ligon Untitled 2019 Courtesy of the artist and Rat Hole Gallery]

25日後終了

ラットホールギャラリーでは2019年12月20日より2020年3月14日まで、グレン・ライゴンの個展を開催いたします。当ギャラリーで2回目の個展となる本展では、日本で制作された新作の立体作品のほか、新作のドローイングや2011-12年のレトロスペクティヴ展「Glenn Ligon: America」(ホイットニー美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館、フォートワース現代美術館)以来の発表となる《Self Portrait》を展示いたします。本展のためにライゴンは、李朝白磁のひとつ、「月壺」に想を得た立体作品を制作しています。日本では「提灯壺」とも呼ばれる月壺は、李朝時代(1392-1910年)の韓国でつくられた伝統的な白磁で、その名は満月を思わせる形状と乳白色の釉薬に由来します。日本在住の韓国人陶芸家との協働のもと、白色の粘土を漆黒へと変化させ、ライゴンは黒い月壺をつくり上げています。2つの半球を中央部で接合してつくられた壺はどれもやや不揃いで、自然に生み出された形状をしています。こうした形状は、李朝時代の美的感覚として高く評価されるような、ナチュラリズムや自然発生性、そして峻厳な仕上げを超えた「破形の美」をもたらしています。民藝運動の創始者、柳宗悦は李朝の器に見られる自由さについて、日本の器と比較して次のように述べています。「前者には無碍な心が生む必然な形の崩れを見るが、後者には完全を否定しようとして生れた造作が見える」。独特の黒い色彩と質感のスペクトルを通じ、月壺の形式的・概念的可能性を探究することで、彼の作品は伝統的な陶磁器の境界を拡張しています。ライゴンにとってこの作品は、美のオブジェクトかつ文化的・社会的批評の担い手としての黒い器(black vessels)を生み出すことへの欲求から導き出されています。これらの立体作品と同時に本展では、新作のドローイング《Study for Negro Sunshine(red)》が発表されます。このドローイングは、ガートルード・スタインの1909年の小説『三人の女(Three Lives)』から引用されたフレーズ「negro sunshine」が、オイルスティックを用いて繰り返し描き込まれています。10年以上にわたって継続されているこのシリーズは、2013年の当ギャラリーの個展でも展示されていますが、本展では背景に白ではなく、鮮やかな赤が用いられています。《Self Portrait》(2002年)は、ジェイムズ・ボールドウィンのエッセイ「村のよそ者(Stranger in the Village)」から引用したフレーズを、黒のオイルスティックでステンシルを用いて塗り重ねられています。カンヴァス上の文字は過剰に重ね塗りされることで厚みを増し、滲みが生じ判読しづらくなっています。この作品は、いったんは失敗作として作家がカンヴァスを擦り落とし始めたものの、表面に見える多様な傷や文字の跡に惹きつけられるようにして再び制作されたものです。本展の他の作品と暗示的な関係を結び、引用や協働、そして文化的対話といったものの本質を省みるよう促しています。ライゴンの作品は、言語のもつ力や時代を超える意味の多様性、文化や歴史における自己やアイデンティティの変容に対する作家の関心と、それらに対する作家のアプローチが渾然一体となって提示されています。

メディア

スケジュール

2019年12月20日 ~ 2020年03月14日

アーティスト

グレン・ライゴン

入場料

無料

アートスペースの開館時間

11:00から19:00まで
月曜・日曜休館

アクセス

〒107-0062 東京都港区南青山5-5-3 B1F
電話: 03-6419-3581 ファックス: 03-6419-3583

東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A5出口より徒歩5分

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このイベントに行かれる際には、東京アートビートで見たとお伝えいただければ幸いです。

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