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角田純 「A New Career In A New Town」

PARCEL
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アーティスト

角田純
1980年代からデザイナー/アートディレクターとしての活躍を広く知られている角田ですが、その裏では30年以上に渡って絵画を制作し続けてきました。彼の絵画は淡い色面や繊細なラインが特徴で、象徴表現でありながら光や音を感じさせます。作品からは一見素朴な印象を受けますが、同時にカウンタカルチャー特有の軽快さや、幻覚作用がもたらす視覚効果を感じさせます。切り詰められた表現の中に多様な文化様式や視覚的実験が反映されていることこそが角田の作品の魅力なのです。今回の展覧会では角田の新作絵画の発表を中心としながら、作家の制作背景にある収集物や資料、また過去の創作物などを構成しスタジオ空間を模したインスタレーションを展示します。2012年に川村記念美術館で開催された「抽象と形態」において、角田の作品はジョルジョ・モランディの静物画と対比されて展示されました。モランディの作品は一見静かな静物画でありながら、配色のバランスによって色面ごとの境界線に揺らめきを表現しています。角田の作品もまた色面構成されたバックグランドに細かく描かれるドッドや線描が、画面の中に揺れるような動きを感じさせます。「静によって動を生み出す」表現に2人の共通性を見出すことができますが、角田はこのような表現の成り立ちには瞑想や幻覚体験(ハルシネーション)の影響を指摘します。普段より色が鮮明に感じられ、光や物の輪郭が渦を巻いて動いて見える視覚体験を角田は絵画の描写や配色に反映しているのです。同時にグラフィティや書道に造詣が深い角田の揺れるような描線はそれら「文字を追求していく文化」が影響しています。つまりサイケデリックアート(幻覚美術)からグラフィティや書道まで、多様なアウトサイダーアートの表現様式を検証し、独自に編集していくことで彼の作品は作られていくのです。このような角田の「超感覚や反知性主義」的表現はスピリチュアリズムに明らかな類似性があり、シュタイナーのドローイングを始め、2018年にグッゲンハイム美術館で個展が開催されたヒルマ・クリントの作風にも近しい印象を受けます。実際に角田はスピリチュアリズムに傾倒した90年代に、山梨県に拠点を移した過去があります。今回の展覧会では作家を招いたトークを開催するほか、過去の資料までを展示することで、過去のデザイナーとして仕事やGallery TRAXでの活動。また現在の作品制作に至るまでのスピリチュアリズムに関する見解など、角田の作品の背景にある出来事を広く検証する機会となります。是非ともご高覧ください。
[関連イベント]
ギャラリートーク「角田純と振り返る90年代からの東京」
日時: 12月19日 19:00〜21:30
登壇者:角田純(アーティスト)、鈴木聖(アートディレクター)
ファシリテーター: 松下徹 (SIDE CORE)
予約不要、入場無料

スケジュール

2019年11月15日(金)〜2019年12月22日(日)

開館情報

時間
14:0019:00
休館日
月曜日、火曜日

オープニングパーティー 2019年11月14日(木) 17:00 から 21:00 まで

入場料無料
会場PARCEL
http://parceltokyo.jp/
住所〒103-0002 東京都中央区日本橋馬喰町2-2-1 DDD hotel 1F
アクセスJR総武線馬喰町駅C4出口より徒歩1分、JR中央・総武線浅草橋駅東口より徒歩5分、都営浅草線浅草橋駅A2出口より徒歩5分、都営新宿線馬喰横山駅A1出口より徒歩5分、JR秋葉原駅昭和通り口より徒歩11分
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