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[画像: ©Ruriko Taguchi]

田口るり子 「CUT OFF」

コミュニケーションギャラリーふげん社
終了しました

アーティスト

田口るり子
田口るり子は愛知県名古屋市出身で2003年に独学で写真を始めました。同年、ミュージシャンの友人など身近な女性を撮影したポートレート作品で、富士フォトサロン2003新人賞を受賞したことで、写真家としての活動が本格的に始まりました。それから主に女性を被写体に制作を続け、さまざまな職業に就く女性の背中を収集した「形骸土木」(2010〜)や、身体の一部を風景に見立てて切り取る「SCAPE」(2016〜)や、祖母を被写体にした「KIYOKO」(2017〜)などを発表してきました。

本展では、初めてカメラを自身に向けて撮影した、モノクロームのネイキッドセルフポートレート作品「CUT OFF」を30点展示いたします。
今年6月にふげん社で開催されたグループ展「東京 2020 コロナの春」の出品作として、思いつきで撮影されたという本作は、裸でロングヘアーをカットされる自身を撮影したセルフポートレートです。切られた短い髪の毛が肌にまとわりつく身体や、床に落ちて塊となり別の生き物のようになった髪の毛の塊など、髪を切り終わるまでの限られた時間の中で、内から湧き上がる感覚を頼りに、即興的に撮影されています。
田口るり子は自分にないものを持つ女性への憧れを原動力として、デビュー時からさまざまな人物のポートレートを撮影してきました。それは自己嫌悪から発露した行為であるとも言えますが、このセルフポートレートで手応えを得たことで、自分自身を認められるようになった、と田口は語ります。それは20歳の時に母を亡くしてから20年間保ってきたロングヘアーを断ち切ったことと、決して無関係では無いように思えます。
ほんの少し前まで自身の一部であった髪が床に落ち、肌にまとわりつく感覚は、自己と他者の境界線を意識させる行為であり、まるで脱皮のようです。自己の輪郭を強烈に意識することは、パンデミックにより身体的精神的に強制的に殻に閉じこもることになった状況において、老若男女問わず普遍的なものとなりました。
田口るり子のセルフポートレート「CUT OFF」は、撮影行為によって見えない殻を破ろうともがいた人間のドキュメントです。写真家としての新たな出発点となるセルフポートレートを是非ご覧下さい。

[関連イベント]
ギャラリートーク
日時: 10月31日(土)14:00~
登壇者: 田口るり子、飯沢耕太郎(写真評論家)
参加費: 1000円(要予約)
※イベント詳細・お申し込み方法は公式ホームページよりご確認ください。

スケジュール

2020年10月31日(土)〜2020年11月15日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
土曜日・日曜日は18:00まで
休館日
月曜日、祝日
備考
11月13日は21:00まで
入場料無料
会場コミュニケーションギャラリーふげん社
https://fugensha.jp/
住所〒153-0064 東京都目黒区下目黒5-3-12
アクセス東急目黒線・東京メトロ南北線・都営三田線・JR山手線目黒駅西口より徒歩17分、JR山手線目黒駅西口より東急バス「元競馬場前」下車徒歩1分
電話番号03-6264-3665
関連画像

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