東京を拠点に活動するストリートブランド、FORTY PERCENT AGAINST RIGHTS(FPAR)はシルクスクリーンを手法に、Tシャツを始めとするアパレルを主な媒体としてスローガンやメッセージを発信し、アイデンティティを構築してきました。
FPARが発信する言葉の多くは抽象的で、その解釈は見聞きした人に委ねられています。それはときに現代社会の有り様を示唆したもの、人間の業や心の裡に迫ったものなど、様々。本展覧会のタイトルである“The truth is out there”は、誰もが見過ごしてきた真実について言及したものです。そして、FPARの言葉がリアルな世界と符合する現象そのものを総称しています。
コロナ禍を生きる我々は、それまで当たり前に享受していた日常の尊さを知り、ニューノーマルとしてシンプルな生活へシフトする過程で、今の時代が抱える大きな課題に直面しています。世界的な気候変動をもたらす環境問題をはじめ、コロナ以前には見過ごされてきた地球規模の社会問題から個人の生活様式に至るまで、将来を見据えてそれぞれが向き合い、実践することが求められています。
現代社会の抱える矛盾や人間の本質に触れたメッセージを様々な媒体を通して発信することで、今という時代を捉え直し、まだ見ぬこれから先の時代とどのような形でコミットしてゆくか。そういったテーマについて考えさせられる展覧会となっています。