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アーティスト
上田智之、菅原彩美、畑山太志、塙康平
本展は、4名の作家を通じて、生きることと絵を描くことのつながりから、無意識下のコミュニケーションである情緒(喜びと懐かしさ)について目を向ける。
上田智之は、空や田園風景、野菜や野花などをモチーフに、繊細な透明水彩の濃淡と緻密な描画によって、日常の光景の普遍的な美しさを描き出す。雪国で育ったという上田智之の描く空は、凍てつく空気が結晶したような、その瞬間にしか起こらない柔らかな光を留めている。また、背景を一切描かずに、真っ新な余白に存在する、陰影を持たない野菜や野花は、時間を超えたところで軽やかに永遠性を獲得したような気品を漂わせる。
水晶などの鉱物に美を見出す菅原彩美は、豊かな色彩で覆われた重厚感の強い油彩画を制作する。内側で蠢くマグマの中に引きずり込まれるような流動性のある物質的な画面は、肉体という境界を脱して、魂が存在していた場所に帰着させるような輝きを放つ。光と闇、肉体と霊体という二項対立を超えて、この宇宙の根源性を想起させる。
畑山太志は、樹齢何百年の樹木を前にしたときや森の中に足を踏み入れたときの、実際に身体が体験した目には見えない空気感や存在感を基に、白色の緻密な描画による視覚では語りきれない身体感覚を伴う絵画を制作する。淡い色彩を感じる白色の画面と向き合う時間の中で、目に見えないものを直感的に感じとる素知覚を開いていくような、没入感ある視触性に導かれる。
幼少の頃、海辺の町で育ったという塙康平は、星々の集積によって満天に立ち現れる海景を、光沢感のある黒い紙に白いペンの点描画によって描き出す。画面全体に広がる白点の肌理による光のハレーションは、広大な海の前にただ一人立ち、自らを見つめ直す透明感ある深い内省を感じさせる。ドローイングでは、微かな震えを感じさせる薄く何層かに重ねられた繊細な色鉛筆による線によって、人型のモニュメントや花々などが描かれ、優しさと悲しみ、愛情など、心の機微が具現化されているようだ。
4名の作家は、表現方法は違えど、一貫して絵画の制作を続けており、人間の有限性のうちにある決して失われることのない永遠性を見出す。
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スケジュール
2020年11月13日(金)〜2020年12月27日(日)
開館情報
時間
12:00 〜 19:00
金曜日・土曜日は20:00まで
休館日
火曜日
入場料
無料
展覧会URL
http://www.akibatamabi21.com/exhibition/201019.htm
会場
Up & Coming
https://upandcoming.tamabi.ac.jp/
住所
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-42-18
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アクセス
東京メトロ銀座線外苑前駅3番出口より徒歩4分
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